どんぴんからりん

昔話、絵本、創作(短編)などを紹介しています。

創作(外国)

真夜中のまほう

真夜中のまほう/文・フィリス・アークル 絵・エクルズ・ウイリアムズ 飯田佳奈絵・訳/BL出版/2006年 村のそれぞれのやどやの看板には、マガモ、ライオンとヴァイオリン、人魚、ユニコーンが描かれていました。 マガモは二百年もの間、看板の絵としてじっと…

113びきの ねこの てがみ

113びきのねこのてがみ/ビル・アドラー・文 ポール・ベイコン・絵 掛川恭子・訳/偕成社/1996年 ねこから サンタさんへのお願い。タイトルどおり113びきのお願い。 サンタさんへのアドバイス?、悩みの解決 飼い主への注文 など、ユーモアあり、いじらしさが…

わたしのおかあさんは世界一びじん

わたしのおかあさんは世界一びじん/ベッキー・ライアー・文/ルース・ガネット・絵 光吉郁子・訳/大日本図書/2010年 六歳のワーリャは麦の刈り入れのお手伝いをすることもありました。ワーリャは、お母さんのマーフィーのそばを離れることはほとんどありませ…

小さな赤いめんどり・・アリソン・アトリー

小さな赤いめんどり/アリソン・アトリー・作 神宮輝夫・訳 小池アミイゴ・絵/こぐま社/2017年 1969年に出版(大日本図書)された訳に若干の修正を行い、挿絵はすべて新しくなっているとありました。 ひとりぼっちで暮らすおばあさんがいました。親類の人や、…

サキ短編集より

サキ短編集/中村能三・訳/新潮文庫/1960年 あるおはなし会で、O・ヘンリーに劣らぬほどの短編の名手というサキというイギリスの作家をはじめて知りました。サキは本名ヘクタア・ヒュウ・マンロウ(1870~1916)、ミャンマーのマキヤブで生まれています。 第…

ボルカの冒険

おはなしのろうそく29/E・M・アルメディンゲン・作 小林いづみ:編訳/東京子ども図書館/2013年 古いバラッドをもとにした創作とありました。「ロシアのキエフの東」とはじまりますからウクライナが舞台です。 母マーサ、息子のポルカはふたり暮らし。とて…

ピッグル・ウイッグルおばさんの農場

ピッグル・ウイッグルおばさんの農場/ベティ・マクドナルド・作 モーリス・センダック・絵 小宮 由・訳/岩波少年文庫/2011年 原作は1954年。 うそつきフェットロック、 ペットの世話をわすれるレベッカ、 分解好きジェフィ、 こわがりやフィービー、 さがし…

きつねと小さな白いメンドリのおはなし・・アリソン・アトリー

ラベンンダーのくつ/アリソン・アトリーおはなし集/松野生子・訳 大島英太郎・絵/福音館1998年 表題作のほか4編。 一羽の小さい白いメンドリが、狭くてうるさいところはごめんと、農場の鶏小屋を抜け出し、黄色い干し草の山のところに小さい家をつくりました…

ちゃいろいつつみ紙のはなし

ちゃいろいつつみ紙のはなし/アリソン・アトリー/作 松野正子・訳 殿内真帆・絵/福音館書店/2015年 いまは包装紙といってもカラフル。一時代前の何の変哲もないちゃいろい包み紙のおはなしですが、大事にされた紙の気持ちがこもっています。 クリスマスの前…

チム・ラビットとかかし

チム・ラビットとかかし/チム・ラビットのぼうけん/A・アトリー・作 石井桃子・訳 中川宗弥・画/童心社/1967年 うさぎの子チム・ラビットは、麦畑にたつ案山子に、こんな詩を歌ってあげました。 「むぎばたけの くにをおさめる かかしは えらいおうさまだ …

チム・ラビットのあまがさ

チム・ラビットのあまがさ/チム・ラビットのぼうけん/A・アトリー・作 石井桃子・訳 中川宗弥・画/童心社/1967年 どしゃぶりのあめで、のうさぎのサムと遊ぶのもできなくなったチムのところに、あひるのエミリーがやってきました。 「こんなおてんきだいす…

チム・ラビットとキツネ・・チム・ラビットのおともだち

チム・ラビットとキツネ/チム・ラビットのおともだち/A・アトリー・作 石井桃子・訳 中川宗弥・画/童心社/1967年 一話ごとに完結していて七話あります。 チム・ラビットとキツネの攻防が「チム・ラビットとキツネ」 ラビットおくさんは、とってもほめ上手。…

お月さまへ行ったビー玉

続 月あかりのおはなし集/アリソン・アトリー・作 いたやさとし・絵 こだまともこ・訳/小学館/2008年 ビ-玉、めんこ、こま回しといった遊びも、ほとんど見なくなりました。子どもの遊びを描くものも説明抜きには理解が困難になりました。 トム少年は大きな…

続 月あかりのおはなし集/アリソン・アトリー・作 いたやさとし・絵 こだまともこ・訳/小学館/2008年 トムが小川で釣ったのは七色の虹でした。虹はまだ小さくて、魚のようにはねたり、おどったりしたので、つかまえるのが本当に大変でした。 庭に持っていく…

かわいい・・チェーホフ

新訳チェーホフ短編集/沼野充義・訳/集英社/2010年 いつだって誰かのことが好きで、好きな人なしにはいられないオーレンカ。 町はずれのジプシー村にある家の名義は、遺言状でもすでに彼女の名義になっていて、最初の結婚は同じ屋敷の離れを間借りしていたク…

ロスチャイルドのバイオリン・・チェーホフ

新訳チェーホフ短編集/沼野充義・訳/集英社/2010年 1894年に新聞に掲載されたチェーホフの短編。 ロシアの民族主義者の多くが反ユダヤ的な姿勢をしめすようになった時期。何か特別の理由がなく、ユダヤ人を毛嫌いする棺桶職人のヤーコフが主人公です。 病院…

アレグラ姫

兵士のハーモニカ/ジャンニ・ロダーリ・作 関口英子・訳/岩波少年文庫/2012年 笑ったことのないお姫さまを笑わす昔話はよくありますが、ジャンニ・ロダーリ(1920-1980)のこの話では、笑い好きのお姫さまが目から涙をながすわけがありました。 王さまとお妃…

わがままな巨人・・オスカー・ワイルド

オスカー・ワイルド童話集/幸福の王子/井村君江・訳/偕成社文庫/1989年 友だちのところで七年暮らし、自分の城にもどってきた巨人でしたが、庭では子どもたちがとびまわっていました。 自分の庭だ、わしにほかはだれもこの庭で遊ばせないと高い塀をめぐらし…

すばらしい打ち上げ花火

オスカー・ワイルド童話集/幸福の王子/井村君江・訳/偕成社文庫/1989年 打ち上げ花火が主人公。 王子の結婚式を祝うため、王室付き花火師が集めた爆竹花火、筒形花火、回転花火、打ち上げ花火。 爆竹花火は「偏見をみんなふっとばしちゃうからね」、筒型花火…

こねずみとえんぴつ

12のたのしいおはなしとえのほん/こねずみとえんぴつ/ステーエフ・作絵 松谷さやか・訳/福音館書店/1982年 「幼児のためのおはなし集」とあって、いずれも動物がでてくる12の話が載っていますが、素朴で微笑ましい話ばかりです。 題名になっている「こねずみ…

エミージーンのぼうし

エミージーンのぼうし/メアリー・チャルマーズ・作 福本友美子・訳/岩波書店/2019年 挿絵は鉛筆画でしょうか。色は野原の淡い緑色だけ。 小型本で、絵もそれほど大きくはありません。2019年の発行にしては地味な感じがしましたが原著は1956年でやや時代を感…

宿なしルンペンくんのお話

長い長いお医者さんの話/カレル・チャベック・作 中野好夫・訳/岩波少年文庫/1952年初版 チェコのカレル・チャペックの律儀なルンペンのお話。 フランティシェク・クラールというルンペンの宿は警察の留置場。浮浪罪でおまわりさんにつかまってはそんな暮ら…

長い長いお医者さんの話・・カレル・チャベック

長い長いお医者さんの話/カレル・チャベック・作 中野好夫・訳/岩波少年文庫/1952年初版 チェコのカレル・チャペック(1890-1938)の童話集で、兄のヨセフが挿絵をかいていて、表題の「長い長いお医者さんの話」のほか8編。初版が1952年とだいぶ前ですが、は…

長くつ下のピッピ

こんにちわ、長くつ下のピッピ/アストリッド・グレーン・作 イングリッド・ニイマン・絵 いしいとしこ・訳/徳間書店/2004年初版 ピッピは力持ち。馬をもちあげ、サーカスでは怪力アドルフをたおし、二人組の泥棒は「あっちでふざけて、こっちでふざけて、ホ…

足ふきの上にすわったネコ

足ふきの上にすわったネコ/しずくの首飾り/ジョーン・エイキン・作 猪熊葉子・訳/岩波少年文庫/2019年 昔話では、おばあさん、おじいさんなどが突然あらわれ、主人公を手助けしてくれるのですが、女の子エマに赤、青、ねずみ色の服と子ネコのサムをくれたの…

たまごからかえった家

たまごからかえった家/しずくの首飾り/ジョーン・エイキン・作 猪熊葉子・訳/岩波少年文庫/2019年 たまごからかえったのは一本足の家。家がたまごからかえったのにはこんなわけがありました。 四人連れの音楽団。ギリシャ人のゼノはチター、アイルランド人の…

パン屋のネコ

パン屋のネコ/しずくの首飾り/ジョーン・エイキン・作 猪熊葉子・訳/岩波少年文庫/2019年 ふたつの山の間にある谷底の小さい町で、今日も朝早くから食パンや菓子パン、ジャムのパイにケーキをやいていたパン屋さんのジョーンズさん。 モグというネコといっし…

空のかけらをいれてやいたパイ

空のかけらをいれてやいたパイ/しずくの首飾り/ジョーン・エイキン・作 猪熊葉子・訳/岩波少年文庫/2019年 冬のある日、おばあさんは、おじいさんから「あつあつのおいしいアップル・パイをやいてくれないか」といわれ、アップル・パイをつくりだしました。 …

七面鳥とガチョウ・・アリソン・アトリー

氷の花たば/アリソン・アトリー・作 石井桃子 中川李枝子/岩波少年文庫/1996年 七月後半から、一転して30度を超える毎日。暑くてぐったり。こんなときは冬をイメージするにかぎります。 「七面鳥とガチョウ」は、クリスマス時期の話。 有名という城でクリス…

たくさんのお月さま

たくさんのお月さま/ジェームズ・サーバー・作 ルイス・スロボドギン・絵 中川千尋・訳/徳間書店/2019年 原著は1943年の出版。日本では1949年に光吉夏弥訳で出版され、1994年に中川千尋訳で、さらに今年に幼年向けの読み物の形に直したとありました。 あ…