昔話(関西)
奈良のむかし話/奈良のむかし話研究会/日本標準/1977年 そばのじくがなぜ赤いかの由来話。 ある日、母親が、三人の子どもに、だれが来ても戸を開けないように言い残し使いにでた。(ほぼ、戸を開けることになるのだが・・・。) 最初に、山んばが旅人にばけ…
奈良のむかし話/奈良のむかし話研究会/日本標準/1977年 こじきがふたりねころんで、ごろんと昼寝をしておった。 目をさましたひとりが、ねている男を見ていたら、ハチが一匹、耳の穴へ出たり入ったりしていた。 起きていた男が、寝ていた男をゆりおこすと、…
兵庫のむかし話/兵庫県小学校国語教育連盟編/日本標準/1978年 一夜の宿を頼み込んだ女の巡礼が、そのままおじいさんのところに居ついてしまった。 女は、毎日よく働いていたが、そのうち、おじいさんは、米がびっくりするほど どんどん減っていくことに気が…
兵庫のむかし話/兵庫県小学校国語教育連盟編/日本標準/1978年 タイトルからすると”親捨て”の話を連想しましたが、同じシチュエーションがでてきますが、組み立てがことなります。 息子が畑で働いていると、通りかかった殿さまが、「朝からなん鍬打った?」と…
兵庫のむかし話/兵庫県小学校国語教育連盟編/日本標準/1978年 ひとのいいおじいさんと、ちょっとおどかしながら、福を運ぶキツネの話。 寒い寒い晩のこと、トントン「こんばんわ、半兵衛さん」と、小屋の戸をたたくものがあった。「いまごろ、だれじゃい」と…
兵庫のむかし話/兵庫県小学校国語教育連盟編/日本標準/1978年 村に火事が出て、みんな一生懸命消していたが、あほうな男は、面白がって見物するだけ。火消しにどなられたが、それでも見ているだけ。家に帰って、えろう怒鳴られたというと、それを聞いた家の…
奈良のむかし話/奈良のむかし話研究会/日本標準/1977年 「山んば」は、日本の昔話にかかせないキャラクター。この山んばが、大入道のつれあいだったという話。 むかし旅人を苦しめる「一本たたら」がでる峠に、村人が播州(兵庫)のヒギリの地蔵さんをまつっ…
奈良のむかし話/奈良のむかし話研究会/日本標準/1977年 むかしむかし、地黄という村に惣五郎という名のじいさまがいた。ある年の田植え時期に三段御作(約0.3ヘクタールの広さの田)の田の植えつけをおえて、夕方家に帰ろうとすると、道ばたにある野井戸の中…
いまに語りつぐ日本民話集5 あわてんぼうの早とちり/監修:野村純一・松谷みよこ/作品社/2002年 ある長者の家で、お正月に招かれた一休和尚に、女子衆が、お茶をもってきて、お茶を差し出すのに、ちょっとけつまずいて、お茶をこぼした。女子衆がびっくりし…
京都のむかし話/京都のむかし話研究会編/日本標準/1975年 薬屋の向かいのうちのよめさんが、だんだん顔色が悪くなり、からだもやせて、ものもあまり食わんようになった。 主人が、わけをきくと、家の前の薬屋が家を普請し、大屋根に、目はらんらんとかがやき…
京都のむかし話/京都のむかし話研究会編/日本標準/1975年 京見物をしたいと、せっせと銭をためていたぶんぶく。 ある日、魔物が出るという上林の川っぷちをとおりかかると、きゅうにきれいなあねさんすがたの女の人が現れ、「わてはこの淵の主でなあ、あんた…
三重のむかし話/三重県小学校国語教育研究会編/日本標準/1977年 「地震、雷、火事、親父」とくると、怖いものの典型。まあ、今のご時世では、親父の権威も散々。 ある日、にわかに黒い雲が広がって、カミナリがなった。ドンバリという音がして、しばらくする…
三重のむかし話/三重県小学校国語教育研究会編/日本標準/1977年 ばくちの好きな男が、負けが込んで、手にもっていたサイコロを振って「丁(偶数)見たか,半(奇数)見たか。」とやっていると、このようすを見ていた山のてんぐが「京(京都)見たか、阪(大…
大阪のむかし話/大阪府小学校国語科教育研究会・「大阪のむかし話」編集委員会編/日本標準/1978年 惣平という飛脚が仕事を終えて「とろす池」のそばをとおりすぎようとすると、白い髭の老人から声をかけられ、久米田池の主に渡してくれるよう一通の手紙を差…
大阪のむかし話/大阪府小学校国語科教育研究会・「大阪のむかし話」編集委員会編/日本標準/1978年 先入観で、どこでも同じと思うと、ちがう呼び方もあるようで、これもその一つか。ガタローというのは河童のこと。 体が小さくて子どもの姿をしているガタロー…
和歌山のむかし話/和歌山県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1977年 類似の話が多い長者伝説のひとつ。 山イモほりの名人という若者が、都の人をよめさんにもろうた。 よめさんは都そだちなもんやから、毎日使う油や針、糸まで湯浅の町まで買いにいかに…
和歌山のむかし話/和歌山県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1974年 楽しいタイトルで、こんなタイトルなら興味をひかれそう。 他の人が見たという夢を、正夢だろうと、夢の場所にいってみると、小判を見つける話。 むかし、徳さんという男と角さんとい…
京都のむかし話/京都のむかし話研究会編/日本標準/1975年 昔といっても江戸時代。大名行列がくると、道を歩いているものはもちろん、そばで農作業しているものも土下座して見送らなければならなかった時代。とちゅう、頭を上げたり、その行列を横切ったりし…
京都のむかし話/京都のむかし話研究会編/日本標準/1975年 ひとりの男が用事がすんで帰る途中、頭から雪をかぶったお地蔵さんが寒そうにしているのをみて、背負って帰り、囲炉裏の火をぼうぼうに燃やし、火にあたらせます。 まっかにもえる囲炉裏の火で、ぬく…
京都のむかし話/京都のむかし話研究会編/日本標準/1975年 羽衣伝説ですが、後日談に特徴があります。 比治山のすその村に住んでいた若い猟師の三右衛門が、山の池の木に、これまで見たこともないほど、すきとおっている衣をみつけ、うまいこと弓のはずに、ひ…
三重のむかし話/三重県小学校国語教育研究会編/日本標準/1977年 毎年開かれる四日市祭りの、ろくろ首の大入道のいわれ。 四日市の町に、商いをする人たちがすみついところの話。 反物の商いをしている久六の店に、身の丈六尺もある大きな男が訪ねてきて、店…
奈良のむかし話/奈良のむかし話研究会/日本標準/1977年 むかし、奈良のシカは神さまの使いやゆうて、えろう とうとい生き物。もしシカを殺しでもしたら「石子づめ」にされることになっていたという。「石子づめ」というのは、生きたまま土の中にうめられて、…
兵庫のむかし話/兵庫県小学校国語教育連盟編/日本標準/1978年 「食わず女房」に にていますが、細部で異なり、結末にも地域性があります。 ある日、おじいさんの家に、女の巡礼がやってきて、一晩とめてくれるよういいます。一晩だけと思ってとめてやると、…
兵庫のむかし話/兵庫県小学校国語教育連盟/日本標準/1978年 あれっ?とおもうタイトル。昔話のタイトルは誰がつけたものでしょうか。 山へしばかりに行ったじいさまが、木陰で一休みし竹筒のお茶を飲もうとすると、キジがやってきて「ケーン ケーン バタバタ…
兵庫のむかし話/兵庫県小学校国語教育連盟/日本標準/1978年 じじさま、ばばさまたちは、わらじを作って暮らしをしていましたが、元日をひかえて、神様にそなえるお米もありません。お米を貸してもらおうと、上の長者のところにいくと「うまごやのくそでもも…
奈良のむかし話/奈良のむかし話研究会/日本標準/1977年 姉は長者のよめ、妹は貧乏な炭焼きの家のよめ。 妹の方は、正月だといっても、もちつく金もないので、門松きってきて、姉のところにでかけました。 姉は門松はもうこうて、正月の準備でいそがしいと、…
奈良のむかし話/奈良のむかし話研究会/日本標準/1977年 都道府県別に出版されている日本標準のシリーズは、出版から50年弱。このシリーズには話者、再話者のお名前がのせられています。 タイトルからはイメージできませんが「鳥呑み爺」に にています。 おじ…
和歌山のむかし話/和歌山県小学校国語部会編/日本標準/1977年 夏のある日、万作さんという男が、おかみさんと喧嘩してついと家を出た。すると白い衣を着た山伏すがたのもんが手招きする。なにかおもしろいことがないかと山伏もんの誘いにのって、背中におわ…
和歌山のむかし話/和歌山県小学校国語部会編/日本標準/1977年 柿の皮をむくのに、柿を一つほりあげといて、それが落ちてこん間に別の柿をむいたうえ、落ちてくる柿を受け止めたという器用な男。ついたあだながサル手の嘉右衛門。 あるとき嘉右衛門の家の藁ぶ…
和歌山のむかし話/和歌山県小学校国語部会編/日本標準/1977年 村の一軒のうどん屋がお寺の和尚さんに頼んで「うどん」という字を書いてもらい、あんどんに貼り付けていた。 旅の男が、あんどんの字をみて、五円で売ってくれともちかけた。五円というと米一升…