昔話(九州・沖縄)
熊本のむかし話/熊本県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1973年 光徳寺の珍念は、頭が悪いうえに大飯ぐらい。和尚さんも和尚さんで、珍念を困らせて楽しんでいた。 ある日、和尚さんは珍念に、「十三里を買うてこい」と、使いに出した。和尚さんは、珍念…
宮崎のむかし話/宮崎民話研究会編/日本標準/1975年 ・天のぼり ある日、きっちょむさんは、畑の麦踏を頼まれたが、いやでいやでたまらんかった。そこで何を考えたか、きっちょむさんは、青竹を五、六本担いできて、畑の真ん中へ立てると、「いまから天へのぼ…
宮崎のむかし話/宮崎民話研究会編/日本標準/1975年 お正月の話。 猟師からうたれた鶴を みかんを買うためにもっていたお金で、ゆずってもらったじいさま。おばあさんといっしょに、餌をやったり、薬をつけたりたりしていた。鶴が にげないように、いつも 箱…
長崎のむかし話/長崎県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1978年 腹をすかし、おまけに雨にあった旅人が歩いているうちに、道の地蔵さんの手元にみつけたのがにぎりめし。お地蔵さんに感謝して、口いっぱいほおばって食べると、お地蔵さんのかぶっていた…
長崎のむかし話/長崎県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1978年 狭いようで広い日本。一度は行ってみたい五島の再話。 むかし、夫に死なれ再婚した女の人には、ヨシという子がいて、再婚した相手にはトシという子どもがいました。女の人は、ふたりをわけ…
長崎のむかし話/長崎県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1978年 「あんたがたどこサ 肥後サ 肥後どこサ 熊本サ」と、手まり歌ではじまりますが、最後はちょっと せつない。 横手五郎は諫早の生まれで、おっかさんの手ひとつで育てられた。生まれつきの力…
長崎のむかし話/長崎県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1978年 親と早く死に別れ、仲良く暮らしていた二人の兄弟。次郎が庄屋で働くことになった。 庄屋は条件を出した。「次郎、おまえがひまをもらうとき、もうそう竹の数を数えてもらう。そのとき四の…
宮崎のむかし話/宮崎民話研究会編/日本標準/1975年 むかしむかし、ずっと山おくに炭焼きの小屋があった。ある夏のはじめの夜、おやじさんは、おかみさんや子どもたちを里の家に帰し、ひとり ぐっすりねむっていた。 すると夜中ごろ 「ヨイ」と呼ぶ声がした。…
宮崎のむかし話/宮崎民話研究会編/日本標準/1975年 どちらが頑固か、我慢比べの話。 ばったり道であった日高笹衛と横山久之助のふたり。こんもりと木々に囲まれたお宮には、大きなエノキがあった。その下には小さなムクノキ。 森の木のあて比べがはじまった…
佐賀のむかし話/佐賀県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1977年 むかし、兄妹が、二番がくさん(二番目のおかあさん)に、マメをにていた大釜につきおとされ、かわいそうに死んでしまいました。ふたりは、裏薮にうめられましたが、そこから一本の青竹が…
子どもに贈る昔ばなし19/小澤俊夫・監修/小澤昔ばなし研究所/2023年 又ぜえさんという、とんちのある人が寿命にはかてず、閻魔さまのところへいきました。 閻魔さまから「お前は生きているあいだ、何をしてきたのか」と聞かれ、「百姓でございましたが、魚を…
子どもに贈る昔ばなし19/小澤俊夫・監修/小澤昔ばなし研究所/2023年 秋になって、猫の手もかりたいぐらい村じゅうが忙しくなりましたが、う五郎さんは、仕事もせずぶらぶら。早く手伝いをたのまないと手が足りなくなるよといわれても平気。 村の人の稲刈りが…
鹿児島のむかし話/鹿児島のむかし話研究会編/日本標準/1975年 「きつね」ではなく「きっね」。発言の違いでしょうか。 五郎作どんが、崖にしがみついている親子のきっねを助けると、あくる日、馬小屋の前におかれていたのが、ぴかぴかの真鍮ででできた「くら…
佐賀のむかし話/佐賀県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1977年 むかし佐賀・武雄市のさびしい村に小さな寺があって、おしょうさんと「どうこう」という名前のこぞうさんがすんでいた。 ある冬の寒い日、おしょうさんはいろりのそばでこっくりこっくりし…
佐賀のむかし話/佐賀県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1977年 村の若者が、そばずきな平太に、ほんとうにどのくらい食うかもちかけると、平太は大きなどんぶりで25はいは食えるという。若者は、いくらそば食い平太でも、25はいは無理だろうと、かけを…
佐賀のむかし話/佐賀県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1977年 むかし、たいそうなかのよいじいさんとばあさんがおって、ふたりとも、「先に死んだら床の間においてくれ」と、こんなことばかり話していた。ばあさんがほうがなくなって、じいさまは泣く…
福岡のむかし話/福岡県民話研究会編/日本標準/1983年 親の遺言の話。 子ガエルは、かあさんガエルのいうことを聞かず、いつも反対のことばかりしていました。 留守番を頼まれると外へ遊びに行きます。かあさんガエルが重い病気になって、冷たい水でからだを…
熊本のむかし話/熊本県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1973年 熊本では、かっぱのことを がわっぱといった。 ある夏の日の昼下がり、川の中にある大石の上で、がわっぱが 五六匹並んで、甲をほしていた。 かっぱは、魚を釣りにきた男に、魚のいる場所…
鹿児島のむかし話/鹿児島のむかし話研究会編/日本標準/1975年 一本の藁で幸せになる話。 どんな順番で? 一本の藁が、どんぶり一杯の味噌になり、味噌が小刀になり、味噌が船いっぱいの米になる。 この地方に、へんな病気がはやり、父親もなくなった男の子。…
鹿児島のむかし話/鹿児島のむかし話研究会編/日本標準/1975年 タイトルが楽しい話。 うでききの大工の小助どん。ひとりもんで三度の飯よりも酒が好きだった。 名主どんの新築祝いで、小助どんが、しょうちゅうをたらふく飲んで、上機嫌で、一本松の近くにき…
鹿児島のむかし話/鹿児島のむかし話研究会編/日本標準/1975年 日本の昔話では、オオカミより雨漏りが怖いというのが一般的ですが、イノシシがでてきて、イノシシより 雷さまが怖いという話。 ある晩、いなびかりがして、かみなりがどんどんなりだし、じさん…
宮崎のむかし話/宮崎民話研究会編/日本標準/1975年 「ネズミの嫁入り」の石屋版。 石屋の三代目を期待されていた子が、どうしても石屋にはならないというので、心配した爺さんが、孫をつれて和尚さんのところに出かけます。 和尚さんが、何になるつもりか孫…
福岡のむかし話/福岡県民話研究会編/日本標準/1983年 ネズミのてんぷら? これはこれは?? 直方の清徳というとんちのある商人が、てんぷら屋にもちかけたのは、持ち込んだ品物をてんぷらにあげるというもの。「何ばてんぷらにするとかい」と聞いたてんぷら…
福岡のむかし話/福岡県民話研究会編/日本標準/1983年 昔、福間と博多のあいだをお客をのせて 行ったり来たりしていた馬方の又ぜえが、福間へ帰る途中、馬が急に立ち止まって動かなくなった。又ぜえが、手綱をひっぱっても、馬は動かない。そこへ、カランコロ…
福岡のむかし話/福岡県民話研究会編/日本標準/1983年 大宰府の後ろにあった宝満山には、タヌキがおったが、いつのまにか いなくなったという。 何があったのか? ときどき、山のてっぺんから下界を眺めていたタヌキ。田んぼに大水がでていても、人間は平気で…
大分のむかし話/大分県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1975年 昔、別府の海にあったという瓜生島の伝説。 瓜生島には、島の守り神として、えびす様が祭られており、えびす様の顔が赤くなったときは島が沈んでしまうという言い伝えがあった。反対に、え…
大分のむかし話/大分県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1975年 おっかあからいわれ、まま子は底のない袋、妹は底のある袋をもって、しいの実をひろいにいった。 まま子(ねえねえ)は、袋がいっぱいにならず、いつのまにか日が暮れてしまい、ねるところ…
佐賀のむかし話/佐賀県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1977年 「ぐうず」とは聞きなれない言葉。佐賀で「石ガメ」のこと。話は、正直なおじいさんと、よくばりじいさんがでてきて、「花咲か爺」に似ているが、結末が異なる。 正月をひかえて、どうして…
佐賀のむかし話/佐賀県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1977年 天から鎖が落ちてくる話で、類似の話も多い。 二人の兄弟が留守番しているところに、やまんばがやってきて、なにかうまいものを食わせろと 脅かす。気のきいたあんちゃんが「なんにも食う…
大分のむかし話/大分県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1975年) 力自慢が「ちからくらべ」にでかけ、ちからくらべを申し込まれた側が いかに 力が強いかが 現実離れをとおりこして あっけにとられるものが、ほとんど。 「ほらふき」というからには、お…