昔話(関東)
栃木のむかし話/下野民俗研究会・編/日本標準/1977年 せがれとよめさんから、「働きすぎては長生きしない」からと、いんきょ家を建ててもらったじいさんとばあさん。 それでも、たき木くらいは自分で集めようと、やまへ行ったおじいさん。ひとりでせおえるぐ…
栃木のむかし話/下野民俗研究会・編/日本標準/1977年 毎日河原で遊んでいたじろさくのところに、てんぐがやってきて、「毎日ここで何をしにきてるんだ」と声をかけた。じろさくが、「てんぐになって空を飛びたい」と、てんぐに相談すると、てんぐは「羽根を…
茨城のむかし話/茨城民俗学会編/日本標準/1975年 田植え時期というのに雨が降らない日がつづき、水不足に悩んでいたおっかさんが、たんぼのあぜ道にいると、目の前に大きな男が立っていた。 男は、おっかさんのところに三人の娘がいることを知っていて、ひと…
茨城のむかし話/茨城民俗学会編/日本標準/1975年 むかし、新しく取れた米で餅をついて、田の神さまにお祭りしたもんだと。 カエルは、田の神さまの家来だったが、十月になると、八百万の神さまは、みな大社の出雲へいかれるもんだから、お供えした餅を背負っ…
茨城のむかし話/茨城民俗学会編/日本標準/1975年 ずっとむかし、筑波の裏山にさびしい村があって、そこにごんべえどんが、一人で住んでいた。ぼんべいどんは、ひとりぐらしでさびしかったのか、動物が大好きで、とくにいっぴきのネコをかわいがっていた。畑…
茨城のむかし話/茨城民俗学会編/日本標準/1975年 ある貧乏な夫婦が、夜なべでわらじをつくっていると、急に地震みたいに家が揺れ、バリッとばかり天井をぶち抜いて、骨と皮ばかりにやせた、ちっちゃなじいさんがあらわれたと。 おじいさんは貧乏神で、「おま…
茨城のむかし話/茨城民俗学会編/日本標準/1975年 親孝行の若者が、ある夕方橋のたもとでみかけた娘を、親の反対をおしきって、よめにした。 顔も姿もきれいで、大変な働き者。反対していた親も、近所にいって自分の家のよめの自慢をするようになった。しあわ…
茨城のむかし話/茨城民俗学会編/日本標準/1975年 出だしとおわりはちがうが、竜宮伝説の一つでしょうか。 ひどく貧乏な”むたいち”が、毎日鰐が淵で魚を釣っていた。鰐が淵というところは天狗が住んでいるといわれ、ほかのだれも近づこうとしなかったところ。…
栃木のむかし話/下野民俗研究会・編/日本標準/1977年 あるところのおおきな寺に、みのやかさの壊れたものがだいぶたまって、和尚さんは小僧さんに寺の床下にすてるよういいつけました。 日が暮れておつとめを終えた小僧さんが、布団に入ってうとうとしている…
栃木のむかし話/下野民俗研究会・編/日本標準/1977年 たこ屋半兵衛が伊勢参りにいって大阪の金持ちの家にとまりました。そこでは、金屏風をたてて、たいしたごちそうでもてなしてくれました。 じっさいは、掘立小屋に住んでいた たこ屋半兵衛ですが、「こん…
子どもに贈る昔ばなし18/小澤俊夫・監修/小澤昔ばなし研究所/2022年 ソバがたくさんつくられるようになった話。 軒下で血でそまったさるの親子を助けた矢次郎夫婦。看病の甲斐なく母ざるがなくなり、のこされた子ざるを大切に育てました。子ざるは、山仕事に…
東京のむかし話/東京むかし話の会編/日本標準/1970年 裸一貫で大店をきづいただんなさんでしたが、それでもじっとしなくて、お客の応対や、庭掃除、ふきそうじにくるくるとよくはたらいていた。 ところが、だんなさんのむすこときたら、地面にはいつくばるよ…
「三分間で語れるお話」(マーガレット・リード・マクドナルド 佐藤涼子・訳/星雲社/2005年初版)に、「長崎のネズミ」が紹介されています。 「長崎のネズミ」は、食べるものがなくなった長崎のネズミが、薩摩まで船で渡り、食べ物を手に入れようとすすんで…
東京のむかし話東京むかし話の会編日本標準1970年 「むかし、中野というところは、字のとおりに、野原の真ん中だった。」とはじまるので、中野区の話でしょうか。 タヌキやキツネが、ひとびととなかよくくらしていたころ。のっぱらの、真ん中にひとりの旅の…
神奈川のむかし話/相模民俗学会編/日本標準/1977年 鎌倉の源十郎という魚売りが、いつもように由比ヶ浜を歩いていると、犬に追われたキツネが一ぴき、一目散にかけてきて源十郎が担いでいる荷の中へとびこんでしまいました。追いかけてきた犬がもの凄い剣幕…
神奈川のむかし話/相模民俗学会編/日本標準/1977年 いくら飲んでも減らない「カッパどっくり」の行方は?。 茅ケ崎の働き者の五郎左ヱ門が、畑仕事を終えて帰る途中、川のそばで馬が暴れていました。 馬の飼い主が「助けてくれ! カッパだ。カッパだ。カッパ…
神奈川のむかし話相模民俗学会編日本標準1977年 川崎の兵蔵さんという綿屋が、相模原の宿屋で、夕食もすませくつろいでいるところへ宿の主人がやってきて、「綿屋さん。タンフルを食べなさるか。」と聞く。兵蔵さんは聞いたこともない食べ物だが、いずれにし…
千葉のむかし話/千葉県文学教育の会編/日本標準/1978年 楽しい くらげの由来話。 竜宮にすむ八大竜王のむすめ乙姫さまがとても重い病気になって、あれこれ手を尽くすが回復しない。猿の生き胆が一番だと聞いて、でかけたのは亀。 竜宮見物させるからと、猿を…
千葉のむかし話/千葉県文学教育の会編/日本標準/1973年 ある若い衆が、江戸でかせいでくるべえと、山道を歩いているうち、日が暮れて、どうしようかとおもっていると、向こうの方に明かりが。 でっかいうちがあって、なかをのぞいてみると、誰もいない。鍋の…
群馬のむかし話/群馬昔ばなし研究会・編/日本標準/1977年 外国にも類似の話が多くありますが、ややスケールが小さいでしょうか。 むらの鎮守様の宝物の刀がなくなるという事件がおきたとき、さがす役目に白羽の矢が立ったのが、易を見るのが上手というおじい…
群馬のむかし話/群馬昔ばなし研究会・編/日本標準/1977年 おなじみの「花咲じい」ですが、ここにでてくる臼は、ケヤキ。 擬音語もいろいろ。 いぬが、声をかけるところ (おれが<ほっくり>といったら、ほってみさちゃい) ほっくり うすをつく場面。 する…
群馬のむかし話/群馬昔ばなし研究会・編/日本標準/1977年 タイトルそのもので、耳だけが極楽、本人は地獄へいく話。 おばあさんが地獄にいくとちゅうにあったお地蔵さんに、極楽へ連れていくようおねがいします。 お地蔵さんは、「それほど行きたいなら、連…
群馬のむかし話/群馬昔ばなし研究会・編/日本標準/1977年 旅商いをするカキ売りとトウガラシ売りが都で商いをしたが、正月も近いのに、いっこうに売れない。 山道の途中で夜になり、寒さがひとしお身にしみる。焚火でほっとした気持ちになると、ふたりは急に…
茨城のむかし話/茨城民俗学会編/日本標準/1975年 真夏の暑い日、ひとりのまずしい坊さんが、畑にいたばさんに、水を飲ませてくれるよう頼みますが、ばあさんは「草刈りはたいへんなんだ。水などねえよ。どっかでもらったらよかっぺ」とことわります。 こうし…
栃木のむかし話/下野民俗研究会・編/日本標準/1977年 あるとき、ごんだゆうという はらぺこの山伏が、茶店で「すぐにできるものはないか」と頼むと、こじきみたいな ごんだゆうの格好をじろっと下から上まで、うたがいぶかそうな目で見たばあさん。 「うどん…
群馬のむかし話/群馬昔ばなし研究会・編/日本標準/1977年 舞台は赤城山。赤城山といえば国定忠治の名セリフが思い浮かぶ。 図体はでかく、力もめっぽう強い赤鬼と青鬼。力勝負をしてもきまりがつかない。 何やら目算があって、今年こそ祭りの日に勝負をつけ…
群馬のむかし話/群馬昔ばない研究会・編/日本標準/1977年 村の信玄堂には十二のお地蔵さまがまつってあったが、あるおっしゃんがお地蔵さまが十三になっていることに気がつきます。 おっしゃんは、ばけものがばけているにちがいないと、ある晩、「おれがけえ…
埼玉のむかし話/埼玉県国語教育研究会・編/日本標準/1973年 むかし、甚兵衛さんが、焼酎をひっかけてほろよいかげんで暗い夜道をとおっているとき、カッパとであいます。甚兵衛さんは、一ぱいやっている元気も手伝って、カッパと争いになり、そばの岩に投げ…
埼玉のむかし話/埼玉県国語教育研究会・編/日本標準/1973年 地域に根差した昔話は、そこに住んでいる人にとっては馴染みの地名や場所が出てきて、親しみやすいが、同じ県内でも離れているとそうとも言えない。この話には寄居町鉢形がでてくるが、埼玉の人全…
奥武蔵の民話/文・市川栄一 絵・池原昭治/さきたま出版会/2001年 近くの毛呂山町の民話とあって、借りてきました。 市川さんは、小学校に勤められ「秩父むかしむかしの会会長」、秩父児童文学の会会長と著者紹介にありました。・竜神の娘の約束 毛呂山の岩井…