創作(日本)
チョコレート戦争/大石真・作 北田卓史・絵/理論社/1999年 キャッチコピーが、「20世紀に生まれたロングセラーを21世紀のロングセラーに!」とあって、思わず手に取りました。 大鵬の活躍がでてきて、1965年が初版。B5で200ページほど。 冒頭、点数のことか…
日記帳/那須正幹・作/ものがたり十二か月 ふゆ物語/偕成社/2008年 新年をむかえる時期になると、今年こそという気持ちになるが、結局は三日坊主になるというのもたびたび。今年こそ禁煙をとおもっていたら、いつの間にか 何十年! 一日も続かない。 今度こそ…
定本小川未明童話集2/講談社/1976年 小川未明(1882年~1961年)の「童話」は はじめてです。きっかけは、この話を語りで聞いたことです。「童話」というとなかなか手が出ませんが、ずーっと余韻が残りました。 大きな国とそれよりはすこし小さい国が隣り合…
千年ぎつねの秋冬コレクション/作・斉藤洋 絵・高畠純/佼成出版社/2001年 「千年ぎつねの赤い山」「千年ぎつねのクリスマス」の2話。秋冬なので春夏バージョンがありそう。 キツネは、人間をばかすかと思えば、千年ぎつねは ヒーローのような存在。山火事を…
赤い鳥代表作集2/小峰書店/1998年 豊島与志雄(1890ー1955年)が1923年に「赤い鳥」に発表したもの。 村や町をめぐりあるいて、広場に毛布をしき、そのうえで手品を使い いくらかのお金をもらってその日暮らしをしていたハムーチャという手品師。お金が入る…
赤い鳥代表作集1/小峰書店/1998年 おなじような外国の昔話がありましたが、結びが楽しい。 ある村の貧乏な商人が、よその土地で財を成し、泥棒にあうことを恐れ、お金を宝石に変え、わざときたならしい着物を着て、宝石を入れた小箱をもって自分の村から三十…
赤い鳥代表作集1/小峰書店/1998年 1919年「赤い鳥」掲載。 「太郎もおいで。次郎もおいで。お末もおいで」父さんが、遠い外国で聞いたきたみやげ話をしましょうと、三つのごく短い話。国語教科書でしかなじみがなかったが、島崎藤村が、こんな話を書いていた…
赤い鳥代表作集1/小峰書店/1998年 1920年「赤い鳥」掲載の作品。「杜子春」や「くもの糸」も「赤い鳥」掲載作品でした。 男の人生の落とし穴といえば、ギャンブル、酒、薬、女?か。 男が訪ねて行ったのが、ハッサン・カンからまなんだ魔術をつかうというマ…
赤い鳥代表作集1/小峰書店/1998年 1919年「赤い鳥」掲載の作品。「赤い鳥」は、鈴木三重吉が創刊した童話と童謡の児童雑誌。1918年に発行され1936年廃刊。寄稿者には、芥川龍之介、谷崎潤一郎、泉鏡花、高浜虚子らの名前もみられる。 両親に別れた三人の兄弟…
お月さまになりたい/三木卓・作 及川賢治・絵/偕成社/2022年 ぼくは、学校のかえりに、へんな犬にであいました。じぶんがなりたいと思えば、なりたいものになれる犬でした。 「真っ白い犬なら、かってやるんだけど」というと、白と茶のぶちから、真っ白へ。 …
ちいさなたいこ/松岡享子・作 秋野不矩・絵/福音館書店/2011年(初出1974年) 初出が1974年で、子どもころ読まれた方もおおいようです。昔話風ですが、松岡さんの創作のようです。 心の優しい百姓のおじいさんとおばあさんがでてくるのですが、気持ちがほっ…
まじょかもしれない?/服部千春・作 かとうようこ・絵/岩崎書店/2019年 ナナちゃんは、おむかいのおうちの モモコさんが、いちばんすきでした。 前歯が2本無いモモコさんは、「まじょのモモコさんなのさ」と言いましたが、ナナちゃんは、うそだとおもってい…
星磨きウサギ/那須田淳・作 吉田稔美・絵/理論社/2007年 銀河系外惑星開拓団のボランティアとして地球にやってきたウサギ。 現在だけでなく過去、未来をいききし、様々な人々の恋を成就させるために、一生に一度だけ星を磨きます。 初仕事は、北天に浮かぶポ…
丘の上の人殺しの家/別役実・作 スズキ コージ・絵/復刊ドットコム/2014年 図書館の児童書コーナーで見つけた本。「丘の上の人殺しの家」という恐ろし気なタイトルですが喜劇のようでもあり悲劇でもあるよう。絵本コーナーでないところがみそ。 異色の組み合…
紙ひこうき、きみへ/野中柊・作 木内達郎・絵 偕成社/2020年 シマリスのキリリとミケリスのミークの出会いは、青い紙ひこうき。 キリリのうけとった紙ひこうきには「こんにちわ。夕方には、そちらにつきます」と、ありました。 だれからの手紙かさっぱりわか…
百曲がりのカッパ/世界のむかし話⑫ 百曲がりのカッパ/松谷みよ子・作 梶山俊夫・画/学校図書/1984年初版 世代をこえて読まれている絵本の「おおきなかぶ」。 おおきなかぶをみんなで引っこ抜くというシンプルな話ですが、絵の魅力もあって楽しまれているよう…
グドーさんのおさんぽびより/文・たかどの ほうこ 絵・佐々木マキ/福音館書店/2018年 春夏秋冬おのおの5話づつ、春からはじまり春でおわる20話。 大事件がおこるわけではありませんが、日常生活ではちょっとした出来事が。 息の合った中年のグドーさん、イカ…
ずるやすみにかんぱい!/宮川 ひろ・作 小泉 るみ子・絵/童心社/2010年 小学校三年生の雄介が、からかわれたのは、それまで朝礼の行列で、いつも二番目にいたので、両手を前にあげて「前えならへ」をしていたのが習慣になって、これまで一番前にいた子が転校…
わすれんぼうにかんぱい!/作:宮川 ひろ 絵:小泉 るみ子/童心社/2011年 宮川さんの物語に出てくる子どもや先生は、とてもやさしくほっこりします。 お母さんが結核で入院することになり、お父さんも出張が多いので、まゆみは、おばさんの家でくらすことに…
杜子春、くもの糸/芥川龍之介/偕成社文庫/1978年 名まえも作品名も知っていても意外と読んだことがありません。 「仙人」という短編があります。 大阪の町に権助という男が仙人になりたいと口入れ屋を訪れますが、もちろん口入れ屋はことわります。 権助は、…
ねこが見た話/たかどの ほうこ・作 瓜南直子・絵/福音館書店/1998年 絵本ナビには高楼方子さんの絵本が84冊。これだけの絵本がありながら、あまり接点はありませんでした。 今読んでいる絵本は氷山の一角というのを思い知らされました。 「ねこが見た話」は…
おおかみのおしょくじ/角野栄子のちいさなどうわたち2/作:角野 栄子 絵:長崎 訓子/ポプラ社/2007年 「おかしなうそつきやさん」には、「大きくなりたい おおかみ」「おおかみの おしょくじ」「おおかみのおよめさんに なるのは だれ?」「おおかみのかぜを…
あらしのよるに/木村裕一・作 あべ弘士・絵/講談社/1994年初版 初版が1994年ですから大分前に出版されています。こんな楽しい物語もおはなし会にいかなければ知ることはありませんでした。もっともこの本は大分評判だったようで、多くの感想もよせられていま…
花のき村と盗人たち/ごんぎつね/新美南吉/岩波少年文庫/2002年初版 新美南吉の、はじめ笑わせ、最後はほろりとする物語です。 語られていても不思議ではないのですが、朗読、絵本はあっても、お話会のプログラムは、見当たりませんでした。 花のき村に五人組…
サルのひとりごと/世界のむかし話⑫ 百曲がりのカッパ/松谷みよ子・作 梶山俊夫・画/学校図書/1984年初版 続けて二回聞く機会がありました。 その方の個性?にピッタリ。話が人を選んでいるのかもしれません。 絵本で読まれている方も多いようです。 「海はえ…
野呂昶さんの作品で、小学校4年生の国語教科書にのっています。 まちの片隅にあった楽器倉庫。 月が倉庫をのぞきこんで、「おやおやここはこわれた楽器の倉庫だな」というと、眠っていた楽器がめをさまし、チェロは「働き疲れってちょと休んでいる」といい…
椋鳩十が1941年に発表した作品で、小学校国語教科書に長くのっているので、どこか記憶にのこっている方も多いのではないでしょうか。 残念ながら自分には記憶にはありません。 ガンの群れを統率している残雪とよばれるガンと猟師の大造じいさんとの友情めい…
加代の四季/作・杉みき子 絵・村山陽/岩崎書店/1995年 明日、学校でスキーがあるのに、使ったばかりの靴がびしょびしょで、お母さんが新聞紙をまるめていれておいてくれましたが、どうもスキー靴は明日まで乾きそうもありません。 どうしようと困惑するマサ…
電信柱に花が咲く/ものがたり12ケ月 夏ものがたり/野上暁・編/偕成社/2008年 電信柱が木でできていた頃。今はクレーン車での電線工事ですが、少し前までは、柱を登って作業する光景が見られました。 一人のおてんばな女の子が、いじわるな同級生の男の子から…
加代の四季/杉みき子・作 村山陽・絵/岩崎書店/1995年 ある日、お昼過ぎから降り出した雨が,夕方になって止み、ルミがおやつを食べていたら、電話がルルンと鳴ります。 「もし、もし。こちら,コスモス通信局。昨日のお礼です。東の空を見てください。」 電…