昔話(外国)
次々とことわられ、また元に戻るパターンの話。こうした繰り返しの昔話は日本には少ないようです。・おばあさんとぶた(イギリス)(おばあさんとぶた/ブリッグズの世界名作童話集1 3びきの子ぶた/バージニア・ハヴイランド編 レイモンド・ブリッグズ・絵 …
・小さい白いにわとり 保育園のおはなし会で「小さい白いにわとり」を聞く機会がありました。 昭和30年から51年の小学校教科書にのっていて、ずっと記憶に残っている方も多いようです。 小麦をめぐってブタ、ネコ、イヌは育てることに一切かかわらず、小さい…
死体を次々に他人に押しつける昔話。・背中にコブのある男(こぐま社/子どもに語るアラビアンナイト/2011年初版) アラビアンナイトの一つで、悪役が登場しません。 人を殺したと思い込んだ仕立て屋が、死んだと思った男を医者の家に、医者は料理人へ、料理…
ありがたいこってす!/作:マーゴット・ツェマック 訳・渡辺茂男/童話館出版/1994年 ある村に、母親と、おかみさん、6人の子どもたちと一緒に、一部屋しかない小さな家に住んでいた貧しい男。 家のなかが、あんまり狭いので、男とおかみさんは言い争いばかり…
「こぶとり」は頬のこぶ、「ノックグラフトンの昔話」「背中にこぶのある男」は、背中のこぶの話。どちらもこぶをとられますが、もう一人が前の人のものまでもらってしまうという話。「こぶ」は、なんの象徴でしょうか?。 ・こぶとりじいさん(こぶとり/宇…
「長靴をはいたねこ」は、1697年にペロー、それ以前には1634年出版のものにみられるという。またグリム童話の初稿にも「くつはきねこ」というタイトルで。タイトルだけでは、なかなか内容がわかりません。 ・ペール殿下(ノルウエーの昔話/アスビョルンセン…
奇想天外な昔話。誰がこんな話を生み出したのでしょうか。アルゼンチン、スイス、パキスタン、ハンガリーに共通する話です。 こがねのあしのひよこ/秋野ゆきこ・再話絵/福音館書店/1998年初版 アルゼンチン民話の再話です。 貧しい夫婦のところに黄金の足を…
「先に怒ったほうが負け」という話で、兄弟が出てきて、やりこめられた兄を弟がカバーする話。・地主の頭は何斤か?(子どもに語る中国の昔話/こぐま社/2009年) 一年間働けば他より賃金を多く払うという地主のところに兄が出かけていきますが、地主からださ…
・木のまたアンティ(フィンランド)(子どもに語る北欧の昔話/福井信子・湯沢朱実 編訳/こぐま社/2001年初版) 同じ話型の話も多いが、人間の幸せとは何かをさぐるために旅するというのに魅かれるフィンランドの話。 同じ家に泊まることになった、予言者と…
・かしこい証人(世界むかし話 東欧/松岡享子・訳/ほるぷ出版/1989年) 一人の若者が旅の途中、とある宿屋に泊まって、朝ご飯にゆでたまごをいくつか注文しました。 宿屋の主人は、まっていましたとばかり、ゆで卵を一ダースもってきて、代金は、こんど、あ…
「ジプシー」の伝説とメルヒン/ハインリヒ・フォン・ヴリスロキ・著 浜本隆志・訳/明石書店/2001年 一人暮らしの貧しい炭焼が、幸せを探そうと旅に出ました。 ようやくたどり着いた大きな町の王さまは、金色の毛の羊をたくさん飼っていました。でも誰一人牧…
昔話にみられるパターンの一つに、主人公が食べ物をだしてくれるテーブルや、金貨をだしてくれるろばを手にいれますが、どれも途中ですり替えられ、最後にはこん棒などで取り戻すという話があります。・テーブルとロバとこん棒(グリム童話集 上/佐々木田鶴…
国は違えど、夫婦が登場すると、威勢がいいのは、妻の方。 女性の強さが強調されていることは、実は弱いことの裏返しなのかもしれません。・猫が家の中に住むようになったわけ(語りつぐ人びと*アフリカの民話/守野庸雄 訳/2004年初版) 一匹の猫がウサギと…
「見えるわ見えるわ」というフレーズが印象に残る話。同じ逃走するのでも知恵というのが親しみやすい。ただこのタイプは日本の昔話ではみたことがありません。 ・山の巨人をからかったむすめ(スエーデン)(子どもに贈る昔ばなし13 桃もぎ兄弟/小澤昔ばなし…
・死神の名付け親(グリム) 貧乏な男に13番目の子が生まれ、一番初めに出会った人を、子どもの名づけ親に頼もうとでかけます。 はじめに出会ったのは神さま。 神さまと聞いた男は、「あなたは、金持ちに物をやって、貧乏人はひもじいめにあわせる」と断りま…
ツタンカーメンを持ち出すまでもなく、古くから装飾品として使われてきた金。 金、銀、銅は紀元前何千年前からもまえから精錬技術が確立していたようで、その歴史は古い。・「ベニスの商人」のなかで、ポーシャが求婚者をためすのにつかうのが、金、銀、銅の…
・オオカミと七ひきの子ヤギ(グリム) 留守番していた七ひきの子ヤギのところにオオカミがやってきて、子ヤギを食べてしまいますが、助かった一番下の子ヤギが、母ヤギといっしょに、ほかの子ヤギを助けるグリムの定番のお話。 ・おおかみと子やぎたち(ロ…
昔話では、極端なことがおきます。 ・先に口をきくのは(シルクロードの民話4 ペルシャ/小澤俊夫・編 宮崎泰行・訳/ぎょうせい/1990年初版) ある夫婦がどちらが羊に水をあげるか喧嘩になって、先に口をきいたほうが羊に水をあげることにします。 妻のほうは…
昔話の面白さは、一つには登場するキャクター。日本の昔話にはあまりでてこないとてつもない力をもつ者たち。 大人の感覚からすれば、少々なじみにくい。しかし、外国で超能力者がでてくる背景も知りたいところ。 ・六人男、世界をのし歩く(子どもに語るグ…
おおきなおとしもの/アンデルセン原作 ジャン・ウオール ぶん レイ・クルツ・え ともちか ゆりえ・やく/ほるぷ出版/1979年初版「おおきなおとしもの」ってなに? おちょうしもののおばあさんが、卵が売れたらあれもこれも夢をかなえたいと考えながら市場にで…
・金のあひる(インドパンジャブ)(世界の民話19/パンジャブ/小澤俊夫・編 関楠生・訳/ぎょうせい/1999年新装版) 三人兄弟の末っこは、いつも兄たちにばかにされ、わらわれているばかり。 兄弟が森に材木を切りに行くと、そこに現れた行者に、「パンを少し…
幽霊屋敷(城)で、一晩過ごし、「宝物」を手に入れる話。 なりたくて幽霊にはなりません。幽霊と話せたら幸運が舞い込むかも。・ゆうかんな靴直し(子どもに語るイタリアの昔話/剣持弘子 訳・再話 平田美恵子 再話協力/こぐま社/2003年初版) ある公爵がも…
どちらも壺やガラス瓶にとじこめられてしまった魔物や大男の話。・漁師と魔人(子どもに語るアラビアンナイト/西尾哲夫 訳・再話 茨木啓子・再話/こぐま社/2011年初版) 一人の貧しい漁師が漁をしていたとき、網にひっかかった壺のなかからでてきたのは、何…
・ちっちゃなゴキブリのべっぴんさん(子どもに語るアジアの昔話5/アジア地域共同出版計画会議企画 ユネスコ・アジア文化センタ・編 松岡享子・訳/福音館書店/180年初版) この話を聞いたら、ゴキブリのイメージが一変するかもしれません。やや長めですが、…
世界の猫の民話/日本民話の会・外国民話研究会/ちくま文庫/2010年・ロンドン万歳(イギリス) キンテイルという人里離れた小屋にひとりの羊飼いが住んでいた。 ある晩、羊飼いが明るくここちよい火の暖炉の向かい側のベッドで身を投げ出していると、二十匹ほ…
「眠れる森の美女」は、多くのバレエ団で上演され、アニメも1959年に全米に公開され、日本は1960年の公開。 この物語は、グリムでは「いばら姫」とされています。 あるところに子どもを欲しがっている国王夫妻がいたが、ようやく女の子を授かり、祝宴に一人…
昔話に出てくるリンゴといえばアダムとイブまで遡れそうである。 アダムとイヴは旧約聖書に記された最初の人間。 アダムはエデンの園に置かれるが、そこにはあらゆる種類の木があり、その中央には命の木と善悪の知識の木と呼ばれる2本の木があって、それらの…
お静かに、父が昼寝をしております/ユダヤの民話/母袋夏生・訳/岩波少年文庫/2015年 この世で一番聡明な知恵者ソロモン王のところに、たいそう美しく、とても賢く、だれにも解けそうもないない問題やなぞなぞをつくる才にたけていたシバの女王がやってきます…
お静かに、父が昼寝をしております/母袋夏生:編・訳/岩波少年文庫/2015年 男の夢に死神が現れます。 男は「娘や息子がたくさんさずかりまいたが、子どもたちにのこしてやるものが、何一つありません。どうか、私が死んだ後も食べていけるよう財産をたくわえ…
エスキモーの民話/本多勝一・訳/すずさわ書店/1974年初版 本多勝一さんがエスキモーの民話を訳しているというのも、まったく結びつきませんした。「民話」をとうして、別の面を発見できました。 雌の赤ギツネと雄のヒグマが互いに食べ物をさがしているときに…