どんぴんからりん

昔話、絵本、創作(短編)などを紹介しています。

創作(外国)

おばあさん空をとぶ

おばあさん空をとぶ/フィリパ・ピアス・作 前田三恵子・訳 山中冬児・絵/文研出版/1972年 ロンドンの高いビルの部屋に、コルクおばさんが、ねこのピーターとすんでいました。 コルクおばあさんは84段もの階段を上りおりし、町角で風船を売ってくらしていまし…

くつなおしの店・・アリスン・アトリー

くつなおしの店/アリスン・アトリー・作 こみねゆら・絵 松野正子・訳/福音館書店/2000年 草ぶきの家に白いしっくいのぬりかべの小さい店がならんでいました。この小さな家や店は三百年間、こうして村の通りにたっていました。 小さな店の中でもいちばん小さ…

おじいちゃんの口笛

おじいちゃんの口笛/ウルフ・スタルク・作 アンナ・ヘグルンド・絵 菱木晃子・訳/ほるぷ出版/1995年 ウルフのおじいちゃんの話を聞いて、自分もおじいちゃんがほしくなったベッラ。 ウルフが、「おじいちゃんを手に入れるところなら、しってる」というので、…

ガイコツになりたかったぼく

ガイコツになりたかったぼくウルフ・スタルク 菱/木晃子・訳 はたこうしろう・絵/小峰書店/2005年 表題の作品と「スカートの短いお姉さん」の二編が収録。ショート・ストーリーズといいますが、中身は濃い。 ・ガイコツになりたかったぼく ぼくのなまえはウ…

おにいちゃんは世界一

おにいちゃんは世界一/ウルフ・スタルク・作 マティ・レッブ・絵 菱木晃子・訳/徳間書店/2002年 お兄ちゃんは12歳で、力持ち、ケンカもつよくて、こわいものなし。みんなから「親分」とよばれている。たしかにこれは弟にとっては羨望もの。 ぼくが、お兄ちゃ…

おにいちゃんといっしょ

おにいちゃんといっしょ/ウルフ・スタルク・作 はたこうしろう・絵/菱木晃子・訳/小峰書店/2003年 ウルフ・スタルクの作品に、はたこうしろうさんのさし絵。どことなくの兄弟の関係がつたわってくるさし絵。表紙をのぞけば、絵はモノクロ。 パパとママが外国…

ライオンがいない動物園

ライオンがいない動物園/フレート・ロドリアン・作 ヴェルナー・クレムケ・絵 たかはしふみこ・訳/徳間書店/2012年 町の真ん中にあたらしい動物園をつくることなり、町の人たちは、自分で工事をはじめました。あたらしい動物園のためなら、ちっともいやでは…

黒いバイオリン

黒いバイオリン/ウルフ・スタルク・作 アンナ・ヘグルンド・絵 菱木晶子・訳/あすなろ書房/2001年 妹のサーラはベッドで寝たきり。いつごろからか元気がなくなり、疲れやすくなっていました。<どんな病気かにはふれられず、物語は進んでいきます。> ぼくは…

夏のサンタクロース

夏のサンタクロ-ス/アンニ・スヴァン・作 ルドルフ・コイヴ・絵 古市真由美・訳/岩波少年文庫/2023年 フィンランドの「童話の女王」とよばれるアンニ・スヴァン(1890-1946)の作。 サンタといえば冬。夏に何があったか? サンタクロースは、夏の時期は、だ…

みどりの服の踊り子たち

ねこのお客 かめのシェルオーバーのお話1/ルース・エインズワース・作 河本祥子・訳/岩波少年文庫/1996年初版 城が出てきますが、城壁に囲まれた町でしょうか。 大きな重い門がいくつもあって、どの門も二人づつの番人で守られていました。城のまわりには背…

ヒットラーの むすめ

ヒットラーの むすめ/ジャッキー・フレンチ・作/さくま ゆみこ・訳/すずき出版/2004年 雨が降り続くオーストラリアのスクールバスの停留所。スクールバスを待つ間、いつもは みんなからのリクエストで、お話をしていたアンナが、今度は自分の番と、「ヒット…

指一本の意味するもの

現代アジア児童文学選5/アジアの笑いばなし/ユネスコ・アジア文化センター・編 松岡享子・監訳/東京書籍/1987年 国家試験を目前にひかえた三人の受験生が、結果をうらなってもらうため、ある占い師のt子へ行きました。 すると、占い師は、なにもいわず、た…

招待

現代アジア児童文学選5/アジアの笑いばなし/ユネスコ・アジア文化センター・編 松岡享子・監訳/東京書籍/1987年 イランの皮肉たっぷりのショート。 貧しい暮らしをしている老人が、お金持ちから食事にまねかれました。けれども、いつものぼろを身にまとって…

山のペイッコと牛飼いのむすめ

夏のサンタクロース/フィンランドのお話集/アンニ・スヴァン・作 ルドルフ・コイヴ・絵 古市真由美・訳/岩波少年文庫/2023年 山のペイッコは、魔法使いで、もじゃもじゃのひげ、小さな目は赤みをおび、夜になると谷の奥からでてきて、小鳥や花の命をうばうの…

スヌークスさん一家

スヌークスさん一家(ウイリアムズ・作 松岡享子・訳/おはなしのろうそく2/東京子ども図書館/1973年) おやおや ろうそくを 吹き消すのも 一苦労のスヌークさん一家の話。 スヌークさんの奥さんが、たまたま先にベッドに入ったので、ろうそくを消してくれる…

スヌークスさん一家

スヌークスさん一家(ウイリアムズ・作 松岡享子・訳/おはなしのろうそく2/東京子ども図書館/1973年) おやおや ろうそくを 吹き消すのも 一苦労のスヌークさん一家の話。 スヌークさんの奥さんが、たまたま先にベッドに入ったので、ろうそくを消してくれる…

埋められることのない穴

話はめぐる/聞き手から語り手へ/ナショナル・ストーリーテリング保存育成協会・編 佐藤涼子・訳/リブリオ出版/1999年 怪談ですが、歴史の裏側が知れて興味深い話。ときは、アメリカ南北戦争のころ。 南軍に従事していた牧師のスケトウの妻が重い病気になった…

願いの指輪

話はめぐる/聞き手から語り手へ/ナショナル・ストーリーテリング保存育成協会・編 佐藤涼子・訳/リブリオ出版/1999年 ある百姓が手に入れた指輪。この指輪は願いをかなえてくれる魔法の指輪。ただかなえてくれるのはたった一つ。ところが家に帰る途中、宝石…

ニュースなんかなあんにもないよ

話はめぐる/聞き手から語り手へ/ナショナル・ストーリーテリング保存育成協会・編 佐藤涼子・訳/リブリオ出版/1999年 聞くか語るかするほうがよさそうな話。それも語るなら二人で。 ある婦人が、山で三か月静養して家に帰る途中、駅のホームで、友だちのジョ…

花とそばかす取りクリーム

話はめぐる/聞き手から語り手へ/ナショナル・ストーリーテリング保存育成協会・編 佐藤涼子・訳/リブリオ出版/1999年 エリザベスは12歳。顔はそばかすだらけ。ある日、そばかす取りクリームの広告を見て、お小遣いで買える値段と知って注文。広告には「濃い…

歩くナマズ

話はめぐる/聞き手から語り手へ/ナショナル・ストーリーテリング保存育成協会・編 佐藤涼子・訳/リブリオ出版/1999年 1973年からつづくストーリーテリング・フェステバルで話されたという中の一遍。ちょと あっけにとられる話。 ある魚釣りの名人の少年が水…

キーウの月

キーウの月/ジャンニ・ロダーリ・作 ベアトリーチェ・アルマーニャ・絵 内田洋子・訳/講談社/2022年 題名からウクライナの方がかかれたものと思ったら、ウクライナ救援のためにイタリアのジャンニ・ロダーリが1960年に書いた詩を絵本化したもの。 出版による…

小さなエリガー・・アムール地方のむかし話

勇敢なアズムーン アムール地方のむかし話/D・ナギーシキン・作 G・バヴリーシン・画 大橋千明・訳/リブロポート/1991年 昔話をもとにした創作とありました。再話との違いが微妙です。もとになっているのはアムール川流域にすむ少数種族のむかし話ですが、ア…

木いちごの王さま

木いちごの王さま/きしだえりこ・文 やまわきゆりこ・絵/集英社/2011年 テッサとアイナが山盛りの木いちごを洗っていると、その中に虫がいてびっくり。弟のラウリが、「ころしちゃえ!」といいます。 虫はテーブルのうえを はいだしました。「ふみつぶしちゃ…

だめといわれてひっこむな

だめといわれてひっこむな/愛蔵版おはなしのろうそく5/東京子ども図書館編/2001年 おばあさんと子ネズミのやりとりが、ほほえましい話。おはなし会でもよく聞きますが、もっぱらほかの人の語りをきいています。 おばあさんが糸を紡いでいると、暖炉のそばの…

小さな赤いセーター

愛蔵版おはなしのろうそく4/東京子ども図書館編/2000年 あしたは、ティモシーのパーテイ。おかあさんは、ティモシーが着ていけるように、小さな赤いセーターを あらいました。外は 風が歌っていて、よく乾きそうでした。 ところが風が、ちょっといたずらをし…

あたまをつかった小さなおばあさん

あたまをつかった小さなおばあさん/ホープ・ニューウェル・作 山脇 百合子・絵 松岡 享子・訳/福音館書店/1970年 ホープ・ニューウェル(1986~1965)はアメリカの作家。といっても長い間看護婦を続けたとありました。 一人暮らしの小さなおばあさん、大変貧…

金のニワトリ

金のニワトリ/文・エレーン・ボガニー 絵・ウイリー・ボガニー 訳・光吉夏弥/岩波の子どもの本/1954年 ロシアの詩人プーシキンの物語詩を、ハンガリー生まれの画家ポガニー夫妻が絵本にされています。かなり長い話で、絵本の枠を超えています。 ダドーン王は…

清潔なんて真っ平

コルチャック先生のユーモア短編小説集/伊藤栄蔵・訳/山本麟郎/1993年 ある晩新聞をみて、靴屋、仕立て屋、帽子屋、手袋屋、美容室と次々に訪ね、立派な服を身につけた男。 それから男はがらりと変わりました。歩き方はゆっくりになり、動作もしっかりして全…

世界でいちばんやかましい音

・世界でいちばんやかましい音(だめといわれてひっこむな/愛蔵版おはなしのろうそく5/ベンジャミン・エルキン・作 松岡享子・訳/東京子ども図書館編/2001年) ギャオギャオ王子さまの誕生日の贈り物は、王子さまの希望もあって、何千、何億もの世界中の人が…