どんぴんからりん

昔話、絵本、創作(短編)などを紹介しています。

昔話(北信越)

おばりてえなあ・・長野

長野のむかし話/長野県国語教育学会編/日本標準/1976年 村の衆が町へいって神明の大門とこへくると、暗闇の中から、「おばりてえなあ」て、気味が悪い声がして、みんなおっかながって、逃げかえった。 ある日、喜作おっしゃんが、神明の大門とこへくると、や…

あんころもちこぞう・・長野

長野のむかし話/長野県国語教育学会編/日本標準/1976年 むかし永平寺山のふもとにおかしなこぞうがおったと。ねんががらねんじゅう、まっぱだかで、ふんどしいっちょうだけ。しごとはちっともせずにぶらぶらしとった。 あんころもちがすきで、はらがへりゃ、…

すべて金・・福井

福井のむかし話/福井のむかし話研究会編/日本標準/197 とても欲深い男が、神さまに、ともかく金が欲しいとお願いすると、神さまが「どのくらいほしいか」いうので、男は四六の蔵ほどという。神さまが、そんなものでいいかというので、男は国中、世界中と、お…

浦島太郎・・福井

福井のむかし話/福井のむかし話研究会編/日本標準/1977年 この昔話には、話し手の方のお名前がのっていますが、いかにも自由自在に話されている「浦島太郎」です。 浦島太郎という人が、おっかさんと大阪の住吉のお宮の祭りにでかけたときのこと。混雑でおっ…

カラスの行水・・福井

福井のむかし話/福井のむかし話研究会編/日本標準/1977年 「わてをよめさんにしておっけ」とやってきた女の人。ところが このよめさんたいへんなふろぎらい。なんべんいってもふろに入ろうとしない。 それでもしぶしぶふろにはいったよめさんが ほんまにふろ…

ガンのこ石・・石川

石川のむかし話/石川県児童文化協会編/日本標準/1977年 石川県珠洲市のお話。ガンはカニのこと。 夕方になると、深い谷の上の村にたびたび不思議なことがおこった。人がとおると、7つか八ぐらいの男の子が出てきて、十歩ほど先を、右へ左へちょこちょこ歩い…

長西ギツネ・・石川

石川のむかし話/石川県児童文化協会編/日本標準/1977年 能登半島地震では、電気が復旧したようですが、水道はまだ先のようです。あまり報道されていませんが気になるのは子どもたちのこと。幼稚園・保育園、小中学校は、どんな形で再開されているのでしょう…

ろうそく騒動・・富山

子どもに贈る昔ばなし18/小澤俊夫・監修/小澤昔ばなし研究所/2022年 ろうそくをしらなかった村の人が、和尚さんから土産にもらったのは赤いろうそく。村の中の物知りが、「町でかまぼこを売っているだろう。あれは赤い色をしている。だからかまぼこだ。食べ…

地蔵の恩返し・・石川

石川のむかし話/石川県児童文化協会編/日本標準/1977年 類似の昔話がありますが、オチが楽しい。 おじじが山へたきぎをとりにいったが、腰に下げた団子がじゃまになり、地蔵さまの前において、かれえだを集めた。 日も頭の上にきとって、団子を食べようとす…

人形のこごと・・石川

石川のむかし話/石川県児童文化協会編/日本標準/1977年 昔の湯治客は、お米、味噌、おかずのお重をもって冬ごもりを兼ねて、湯治にやってきた。いろんな人が集まり、おおきな囲炉裏を囲んで、話に花が咲いたのが想像できる。 この時期、加賀の山中の温泉には…

金ひり小犬・・長野

長野のむかし話/長野県国語教育学会編/日本標準/1976年 じいさまとばあさまがかっていた犬は、ご飯をやると小判をうむ不思議な犬。それで、たちまち長者さまに なったと。 じいさまは、「そんなに、小判をうまんでもええぞ。うんと長生きしてくれや」と、犬…

みそすり地蔵・・石川

石川のむかし話/石川県児童文化協会編/日本標準/1977年 家が貧しく総持寺という寺に小僧としていった十歳の男の子。了念という名前をつけられ、味噌すりの仕事をすることになりました。 ところが、このお寺には何百人もの坊さんがいるので、味噌すりといって…

ぼうさんになった大どろぼう・新潟

新潟のむかし話/新潟県小学校図書館協議会編/日本標準/1976年 普通の人の三倍も早く走れる足を持ち、どんなに頑丈な錠でも、釘一本であける”耳しろ”という大どろぼう。盗んだ金や宝物をたまに出して、にこにこ楽しんでいた。盗みだけでなく、人に怪我をさせ…

鳥のみじいさん・・新潟

新潟のむかし話/新潟県小学校図書館協議会編/日本標準/1976年 各地に分布している話。 正直で、働き者のおじいさんが、畑仕事をしているとき、大あくびしたひょうしに、小鳥が口に入ってしまう。しばらくすると、脇の下へ羽が生えてきたと。びっくりして、じ…

クモにょうぼう・・福井

福井のむかし話/福井のむかし話研究会編/日本標準/1977年 「食わず女房」は、めしをくわないよめをほしいという男がでてくるが、なにか男の身勝手がでているようで、手が出ない。 この「クモにょうぼう」のパターンは「食わず女房」そのものですが、どこから…

山うば・・福井

福井のむかし話/福井のむかし話研究会編/日本標準/1977年 昔話のお坊さんは、主人公を盛り立ててくれる存在ですが、お坊さんが主役の話。 用事ででかけた坊さんが、日が暮れ一夜の宿をもとめた山の中の家。 はじめはうんといわなかったが、なんとか頼み込ん…

おおとしの客・・福井

福井のむかし話/福井のむかし話研究会編/日本標準/1977年 庄屋さんが村を歩いていて、今にも息を引き取りそうな病人を見つけ、だれか世話をしてくれる家をさがしますが、あしたは正月。どこにもひきうけてくれる家がなく、庄屋は米五升を出すからと、貧乏で…

しゅとめとよめさん・・福井

福井のむかし話/福井のむかし話研究会編/日本標準/1977年 ・よめのちえ 息子のよめさんをいじめてやろうと考えていたしゅうとめ。 ある日、ご飯のおかずに、魚の頭を出すと、よめさんはにこにこ笑って「お頭さまをくださるなんて、ご先祖さまにもうしわけな…

サルとお経・・新潟

新潟のむかし話/新潟県小学校図書館協議会編/日本標準/1976年 徳のあるおぼうさんと、サルのしっとりとした話。こんな昔話もあります。 お坊さんひとりの古い由緒の寺に、いつのころからか2ひきのサルがやってきて、お坊さんの読む経を、熱心に聞いているよ…

猿供養寺の人柱・・新潟

新潟のむかし話/新潟県小学校図書館協議会編/日本標準/1976年 猿供養寺の村は、毎年毎年、春先の雪解けのころや、雨がいっぱい降る秋の終わりごろになると、きまったように地面が動いて、田畑がこわれたり、家がくずれたりしていた。 この年も春先の地すべり…

三つの山・・新潟

新潟のむかし話/新潟県小学校図書館協議会編/日本標準/1976年 山を三つこえていったところに、たからの原っぱがあるというので、何人もその山をめざしていた。 山の登り口にいる白いひげのおじいさんが、山への登り方を知っていて、山を越えるとき、後ろをふ…

はぐすけ・・石川

石川のむかし話/石川県児童文化協会編/日本標準/1977年 ちょっと楽しい貧乏神の話。 昔、萩谷に はぐすけという若いしゅうがおった。昼も夜も よう働いていたが いつまでも貧乏で、たんぼでも、ろくなもんができない。 これは貧乏神のせいだと、在所から逃げ…

イモほり藤五郎・・石川

石川のむかし話/石川県児童文化協会編/日本標準/1977年 むかし、わらぶきの貧乏な家に住んでいた藤五郎ところへ、嫁入り行列がやってきて、よめごに してほしいという。 何が何だかわからない藤五郎に、後からきた白髪の爺さんが、「わたしゃ大和の国初瀬村…

カッパのなべ太郎・・石川

石川のむかし話/石川県児童文化協会編/日本標準/1977年 タイトルに「カッパ」とあるので、カッパが登場するというには容易に想像できますが、話の進行でカッパというのがわかるのがいいのか、はじめからカッパというのがわかったほうがいいのか悩ましいとこ…

能登の又次・・石川

石川のむかし話/石川県児童文化協会編/日本標準/1977年 能登では、嘘の上手な人を「千の浦の能登の又次か」というのですが、嘘にまつわる話が又次をとおして語られていたのでしょうか。クスリと笑えます。 <その1> あるとき、船頭が又次に、「卯(東)の方…

こがねのつぼ・・石川

石川のむかし話/石川県児童文化協会編/日本標準/1977年 羽咋のある村に、村の誰も知らないうちに、庄助という若者が、地蔵さんのそばに小屋をたててすんどったい。 酒もたばこも道楽もせんいいあんさ。うわさがひろがって、うちのむすめをよめにもろうてくれ…

身代わり地蔵・・新潟

新潟のむかし話/新潟県小学校図書館協議会編/日本標準/1976年 内郷村上山田にいた源兵衛という男。家の人や村の人がいそがしげに仕事をしているときでも酒を飲んで遊び歩き、おとっつあんやおっかさんが、米や野菜を売ったお金までもちだしては、丁半につか…

こじき長者の恩返し・・富山

富山のむかし話/富山県児童文学研究会編/日本標準/1978年 善意の人がでてきて、ほっこりする話です。 ぽかぽかした春の日、二人連れのこじきのひとりがシラミとり、もうひとりは気持ちよさそうにねむっていたとき。 シラミとりをしていたこじきの目の前で、…

おならの話・・富山

富山のむかし話/富山県児童文学研究会編/日本標準/1978年 くさい話もカラットしているのが昔話でしょうか。 ・おならの話 シバりに行ったおじいちゃんが、弁当を食べようとすると、スズメがあらかた食べてしまって、中にはふんのようなものが。それでももっ…

えんま様も苦労が絶えない‥富山

富山のむかし話/富山県児童文学研究会編/日本標準/1978年 ・鬼をおがんだおばあさん 仏さまをおがまずに、鬼ばかっりおがんでいたふうがわりなおばあさん。 寿命には勝てず、閻魔様の前でお裁きを受け、かまゆでにされることに。鬼たちが、おばあさんがさん…