どんぴんからりん

昔話、絵本、創作(短編)などを紹介しています。

昔話(ヨーロッパ)

いくじなしのフダイベルドゥイとキツネ・・トルクメン

めんどりがやいたパン/中央アジア・シベリアのむかしばなし集/小檜山 奮男・訳 宮澤ナツ・画/新読書社/2006年初版 いくじなしのフダイベルドゥイが、悪魔と力比べし、いさましいと評判になるトルクメンの話。 類似の話が多くあって、グリムの「ゆうかんな仕…

うぬぼれやのオンドリ・・スペイン

おはなしのろうそく34/東京子ども図書館/2024年 うぬぼれやで、われこそがいちばんえらいと思いあがったオンドリが、ちっぽけな小屋をとびだしました。 ある日、オンドリが外を歩きまわっていると、いかにも消えいりそうな小さい声で、小さな火の粉にあいま…

しゃれこうべ・・オーストリア

しゃれこうべ/おはなしのろうそく3/2東京子ども図書館/2018年 しゃれこうべと骸骨がでてきて、夏にふさわしいちょっと怖い?話です。ただ、骸骨としゃれこうべをイメージしなければいけない話なので、絵本などを読みなれた子が、ききやすいでしょうか。 チロ…

はらぺこピエトリン・・イタリア

子どもに語るイタリアの昔話/剣持弘子:訳・再話 平田美恵子・再話協力/こぐま社/2003年 子どもの肉を食べるという鬼のパッボルコが、かくれていたピエトリンという男の子の家にやってきて、五段の階段をのぼるようすが緊迫感をだす話で、やっぱり読むよりは…

バグパイフふきのバディ・・アイルランド

ふたりの巨人/アイルランドのむかしばなし/エドナ・オブライエン・再話 むろの会・訳/新読書社/1997年 ある夜、おれのところへ、バグパイフふきのバディが泊めてくれとやってきたが、俺はことわり、牛小屋で休むようにいった。というのは、「夜は家からでて…

ジャックの運だめし・・アイルランド

ふたりの巨人/アイルランドのむかしばなし/エドナ・オブライエン・再話 むろの会・訳/新読書社/1997年 典型的な昔話で、再話で少し長くなりすぎなところが難点でしょうか。 ある国の王子が、運だめしにでかけ、巨人の城で働くことになりました。丘の巨人は、…

女は悪魔より賢い・・フランス

シャルル・ペローとフランスの民話/樋口淳・樋口仁枝・編訳/国際文献社/2023年 悪魔にとって、人間は恩を仇で返すから、悪魔よりもたちが悪いかも! 借金で首がまわらない男が、「悪魔がきたら、契約を結んでやりたいくらいだ」というと、すぐに表れた悪魔。…

お婆さんの話・・フランス

シャルル・ペローとフランスの民話/樋口淳・樋口仁枝・編訳/国際文献社/2023年 タイトルはそっけないが、「赤ずきん」と似たような展開の話。 娘がおばあさんのところに、焼き立てパンとミルクを届けに行く途中、ブズーにであいました。 ブズーはさきまわり…

力もちのハンス・・スイス

オクスフォード世界の民話と伝説6/スイス編/植田敏郎・訳/講談社/1978年改訂版第一刷 一年分つかう薪を、たった一日で家に運ぶようになると、ハンスは、となりのお百姓のところで、働くことになりました。 ハンスは奇妙な申し出をしました。お金のかわりに、…

だまされた悪魔の話・・スイス

オクスフォード世界の民話と伝説6/スイス編/植田敏郎・訳/講談社/1978年改訂版第一刷 ある宿屋に悪魔がはいってきました。そこでは若者たちがテーブルにすわって、ブドウ酒をのんだり、わらったり、うたったりしていました。 悪魔は、クジャクの羽のついた小…

タルタリ・バルバリ・・フランス

空にうかんだお城/フランス民話 山口智子・訳 岩波書店 1981年 二人か三人で語ったら楽しそうな類例のない話。 「とん、とん」「だれだい?」「わたしで!」「で、どこからきたのかい?」「パリのずうっとむこうの、タルタリ・バリバリからでさ。」「で、く…

いい夢とつまらない旅・・フランス

空にうかんだお城/フランス民話 山口智子・訳 岩波書店 1981年 オオカミが、ある晩、どっさり いいものをみつけるという夢をみて、でかけました。 道で生ハム、ブタのあぶらみ、子ウマ、子ブタ、おヒツジをみつけ、たべようとしますが、うまくいきませんでし…

小さな半分のおんどり・・フランス

なぞとき名人のお姫さま/山口智子:編訳/福音館書店/1995年初版 ふたりの息子が、ひとつのたまごをわけてもらい、ひとりは半分のたまごをやいてもらい、もうひとりは、たまごの半分を食べないで、それをあたため、うまれた小さな半分のおんどり。 ある日、小…

お百姓トロメと悪魔・・フランス

なぞとき名人のお姫さま/山口智子:編訳/福音館書店/1995年初版 夫婦が出てきて、妻の方が主導権をとるのは、安心できる展開。 トロメというl百姓は、みじめな境遇でした。作物がとれない年が続いた後は、動物たちがばたばたと病気でたおれ、土地の領主はい…

皇帝の玉座で歌をうたったオンドリ・・旧ユーゴスラビア

三本の金の髪の毛/松岡享子・訳 隆矢なな・絵/のら書店/2013年 タイトルが楽しそうです。 むかし、小さな村のじいさんはオンドリ一羽、ばあさんはメンドリを一羽かっていました。ばあさんのメンドリは毎日たまごをうみました。じいさんは、ばあさんにたまご…

サヤエンドウじいさん・・ポーランド

世界の民話/サヤエンドウじいさん/内田莉莎子ほか作 むらかみ ひとみ・絵/日本標準/2007年 ある、村に、イェジーじいさんという、おじいさんが、孫たちと いっしょに くらしていました。ただ、おじいさんは、こまったことに、ほらをふくくせがあって、いつも…

小舟にのったロバ・・ギリシャ

ねえねえ、きょうのおはなしは・・/大塚勇三:再話・訳/福音館書店/2024年 ロバが小舟にのったのは、キツネにさそわれてからでした。小舟には、ロバのほかオオカミものっていて、オリーブの実を集めてきて、小舟につみこんでいました。 キツネは、小舟が海の…

シラミの皮のスリッパ・・ロシア

ねえねえ、きょうのおはなしは・・/大塚勇三:再話・訳/福音館書店/2024年 王さまにひとりナスターシャというお姫さまがいました。ある日のこと、おつきの人がお姫さまの髪の毛をとかしていると、シラミが見つかりました。そのシラミをめヒツジのせなかにの…

ようきな大工・・リトアニア

ねえねえ、きょうのおはなしは・・/大塚勇三:再話・訳/福音館書店/2024年 大工道具をせなかに、手にはバイオリンをもった大工が、カミナリとオニと、一緒に一軒の小屋をたてました。(こうした組み合わせは昔話ならでは!)。 小屋のそばに畑をつくり、ダイ…

大きな赤いネコ・・スコットランド

明かりが消えたそのあとで 20の怖いお話/マーガレット・リード・マクドナルド著 佐藤涼子・訳/編書房/2004年 ハローウィーンの夜、行い正しい人々は我が家にとどまるか、教会に祈りに出かけた。だがムラド・マックターガタという漁師は、一年中漁に出かけた…

ふしぎなお客・・イギリス

イギリスとアイルランドの昔話石井桃子・編訳福音館文庫2002年 ある夜、女が一人すわって糸つむぎ。つむいでた つむいでた。客がほしいとつむいでた。 そこへ 大きな 足がふたつ。 そこへ ほそぅい すね二本やってきて 足にのっかた。 そこへ、ふとぅい 膝ふ…

どのようにしてグルジア人は土地を得たか・・グルジア

五分間で語れるお話/もっときかせて!短いお話48編/マーガレット・リード・マクドナルド・著 佐藤涼子・訳/編書房/2009年 この世を創ると、神さまは、すべての人々に土地を分け与えました。ブルガリア人がやってきて、トルコ人もやってきました。 さて、グル…

ヒルトン屋敷のブラウニー・・イギリス

かじ屋と妖精たち/イギリスの昔話/脇明子・編訳/岩波少年文庫/2020年 ヒルトン屋敷に住みついているブラウニーは、いたずら好き。塩壺に砂糖を入れるやら、ビールのコショウを入れるやら、椅子はなげたおし、テーブルはひっくりかえすやら、まったくなにをし…

ネコとネズミ・・イギリス

愛蔵版おはなしのろうそく11/東京子ども図書館/2020年 ネズミがネコにしっぽをくいちぎられ、「雌牛のところでミルクをもらってくるまではかえさない」と言われ、雌牛のところにいくと、「お百姓から干し草をもらってこい」といわれ・・。 つぎつぎと訪れる…

スイショウの国の妖精・・ギリシャ

子どもに聞かせる世界の民話/矢崎源九郎編/実業之日本社/1964年 今年(2024年)は、ギリシャと国交が開始されてから125年。そういえばギリシャといえば神話のイメージがおおきく、あまり昔話を読んだ記憶がないことにきがつきました。この話は典型的な昔話で…

はちみちの好きなキツネ・・ウクライナ

子どもに聞かせる世界の民話/矢崎源九郎編/実業之日本社/1964年 どんなすばらしいごちそうよりも、はちみつの好きなキツネがいました。はちみつをさがして、ミツバチの巣箱へちかづきましたが、ミツバチにみつかって、めちゃめちゃに刺されてしまいました。…

愛しい人の贈り物・・ウクライナ

世界の水の民話/日本民話の会・外国民話研究会:編訳/三弥井書店/2018年 遠い昔、浜辺に住んでいたアザという娘が、とてもハンサムな若者を愛していた。ところが動乱の時期になり若者はトルコとの戦いにでていった。 若者は戦争に出ていく前に金の指輪を渡し…

アザラシ女房・・アイルランド

世界の水の民話/日本民話の会・外国民話研究会:編訳/三弥井書店/2018年 人間の女の姿をして岩の上で髪をとかしていたのは、アザラシの化身。そのことを知っていた一人の男が、女のそばにある上着を、さっと取り上げて、それをもって家に向かって一目散に走…

海底の王国に行った船乗り・・イタリア

世界の水の民話/日本民話の会・外国民話研究会:編訳/三弥井書店/2018年 イタリア版「浦島太郎」。 難破した帆船の船乗りが、離れ小島の浜辺につくとすぐ力がつきて気を失い、そのまま眠ってしまった。 誰かが起こす声がして目を覚ますと大きな亀。男は好奇…

よい妻

金のリンゴと九羽のクジャク/東欧の昔ばなし2/直野敦・訳 赤坂三好・絵/小峰書店/1987年 ある貧しいお百姓が、居酒屋から帰ってきて自分の妻に言いました。「商人たちはなんであんなにひまがあって、しかも楽な暮らしをしているんだろうね。おれたちは、汗水…