昔話(九州・沖縄)
大分のむかし話/大分県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1975年) ある日、うそつきな男が、「鍋割坂をとおたら、千びきのザルを見つけた」と、はなしじょうずな男に自慢します。 「千びきザルを見たとは はじめてきいたが、ほんとうにそりゃおったかえ…
大分のむかし話/大分県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1975年) ある浜辺の村に、サザエとりのうまい漁師がおった。 ある日、今までにないくらいサザエがようとれて、日が暮れかかっとるのも気がつかんで、漁をしているうちにとうとう夜になってしもう…
熊本のむかし話/熊本県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1973年 正直で、信仰が厚く誰からも信頼され、おまけに村一番の力持ちの幸助どん。 朝早く、馬を買いに田浦にへでかけた幸助どんが、とちゅう かっぱがでるという君が淵をとおると、どこからか自…
熊本のむかし話/熊本県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1973年 ”やじゃあどん”は、熊本のトリックスターでしょうか。昔話には多かれ少なかれ 煙にまくような話がおおいのですが、話し手の方が楽しみながら話している光景がうかびます。 その1 やじゃあ…
熊本のむかし話/熊本県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1973年 同じ日の同じ時刻に死んでしもた医者どんと山法師と軽業師がうすぐらい、しんとした道をとぼとぼ歩いていると、広い広場につき、黒い大きな門が。 正面の横手にある通用門を見つけて、ドア…
熊本のむかし話/熊本県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1973年 和歌をみなおす昔話があれば、狂歌にもあります。 太郎次どんというたいへんとんちのある、そして歌をつくることの好きな人がいました。ただ大変な酒飲みで、家の軒は傾き、壁もあちこち剝…
熊本のむかし話/熊本県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1973年 姉妹といっても、姉は前のお母さんの子。自分の子だけかわいがり、姉のお藤は、掃除、ご飯炊き、洗濯と休むひまもないほど働きづめ。このあたりはまあ昔話の定番。 ある日、近くの冷たい川…
熊本のむかし話/熊本県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1973年 吾市は畑仕事でどろだらけになった馬を、いつも川口の白州できれいに洗っていました。 ある日、馬が強い力で、ずるずると海のなかに引きずりこまれてしまいます。あっというまのことでした…
鹿児島のむかし話/鹿児島のむかし話研究会編/日本標準/1975年 だんだん畑をいくらかもっているお百姓が、養子を取らずに三人のむすめに畑を分けてやるから、親孝行してくれと言い出します。 上のむすめには、一番肥えた畑、二番目のむすめには、二番目にいい…
鹿児島のむかし話/鹿児島のむかし話研究会編/日本標準/1975年 ・村一番の茶のみばば 島津の殿さまから、屋敷のまわりに木を植えようと思うが、何がいいか聞かれたとんちのきく侏儒どん。垣根になるばかりか茶もとれる、茶がいいだろうとこたえます。 つね日…
長崎のむかし話/長崎県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1978年 外国には、はじめに生まれる子の運命が予言され、そのとおりに展開していく話も多い。 運命を予言するのは、預言者や裕福な商人、王さま、魔法使いなどなどだが、手紙の書き 換え、結婚、…
長崎のむかし話/長崎県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1978年 知恵者の勘作話。大村藩と諫早藩がでてくるので江戸時代以降の話でしょうか。 大村藩と諫早藩の境のところに、庭石に使うような立派な大理石があって、二つの藩が領有権を主張していた。 …
日本昔話大成 第七巻/関敬吾/角川書店/1979年 冒頭に運命の予言からはじまる昔話は、結末がわかりやすい。 日本にはあまりないかと思っていたら、短めの話が南の方にありました。 鹿児島の話は、「生まれた子は女の子で、十八の年に塩道の村へよめに行くが、…
日本昔話大成 第七巻/関敬吾/角川書店/1979年 貧乏な男が分限者に会って、一生に一度でいいから金を持ってみたいというと、その分限者は、お前の命を千両で売らないかといって、千両箱を男の前に置いた。 分限者が、ちょっと安いが売りましょうといった男を…
いまに語りつぐ日本民話集8/動物昔話・本格昔話/監修:野村純一・松谷みよ子/作品社/2001年 おじいさんが女の人からしばらく赤子を抱いてくれるようたのまれ、さらに履いている草履を貸してくれるよう頼まれます。 気の毒に思ったおじいさんが貸してやったと…
薩摩の早太鼓/日本の民話11 民衆の笑い話/瀬川拓男 松谷みよ子:編集・再話/角川書店/1973年 昔話であまり出番が少ない艶笑話。だが昔話が子どもだけのものではないからには大人が楽しむものがあってもおかしくない。おはなし会が高齢者施設でも行われるいる…
沖縄昔ばなしの世界/石川きよ子・編/沖縄文化社/1991年 天からおりてきた龍が昼寝をしていると、一匹のむかでが、すずしそうな穴があるぞと龍の耳に入っていきます。 目をさました龍が、「おんやあ、なんじゃ・・・」と頭をゆすったり、耳をばんばんたたいた…
継子と亡者/いまは昔むかしは今2 天の橋 地の橋/福音館書店/1991年 沖永良部島の昔話の再話。 むかしミークグワーという継子が、母親のいいつけで、穴のあいた徳利をもって、海の汐をくむに海へいくが、途中雨に会って岩穴で雨宿りをしていると、岩穴の奥か…
日本の民話4 民衆の英雄/瀬川拓男・松谷みよ子・編著/角川書店/1973年初版 伝説とありますが、川の氾濫に悩まされた村の人のため泣きながらあっというまに堰を作ってしまった男の話。 阿蘇山のふもとのひのき村というところに、恐ろしく力の強い男が一人。 …
日本の民話7 妖怪と人間/瀬川拓男・松谷みよ子・編/角川書店/1982年初版 昔話というより伝説の存在。 まだまだ知らないキャラクターも多そうで、ケンムンというのは、かっぱに似た魔物。 猫に化けたり子馬に化けたり、いじわるでいたずらもの。 イッシャは破…
みかん売り八兵衛/日本の民話25 屋久島編/下野敏見編/未来社/1977年初版 「絵姿女房」も地域によっていろいろです。(鳥取版) むかし、あるところに山の木こりがおって、とっても器量良しの娘をもらったそうな。 好いて好いてこがれてもらったので、ちょっ…