昔話(北信越)
富山のむかし話/富山児童文学研究会/日本標準/1978年 これぞ昔話という話。 下伏のじいさんが亡くなってみんなで葬式をしていると、棺のふたが内からあいて、じいさんが「なんしとんがよ」といったから、みんなびっくり。 じいさんの話によると、赤鬼、青鬼…
富山のむかし話/富山児童文学研究会/日本標準/1978年 あるところのおくさんが、子どもが生まれる前に死んでしまい、だんなはんは葬式がおわるとおくさんを土に埋めます。 ところが四十九日もちかくなって、おかゆをもらいにきた者がありました。その人は、亡…
長野のむかし話/長野県国語教育学会編/日本標準/1976年 ずいぶんながいタイトル。誰がつけたかものでしょうか。 「おたのすけ」というのはいたずらずきのキツネ。 おかみさんからたのまれたあぶらげを買い込んで山道を歩いていたおやじさんに、お風呂に入る…
山梨のむかし話/山梨国語教育研究会編/日本標準/1975年 一人のお坊さんが、いくつも山をこして、石和の里に着いた。疲れていたし雨も降りそうだから、そのへんの家にいって宿をお願いしたがどこにいっても断られ、わけを聞くと、ひとだまがでたり、ゆうれい…
長野のむかし話/長野県国語教育学会編/日本標準/1976年 時代がいつかはっきりしないものが昔話ですが、この話は検地がでてきますから豊臣秀吉以降でしょうか。 舞台は八ヶ岳のふもと。 みんなからぬけ八とよばれていた八左衛門が、野良仕事をおえて家に帰る…
日本昔話大成 第六巻/関敬吾/角川書店/1979年 池の水神様が正直度を試す話。 お爺さんが斧を池に落とし、水神様に拝むと、水神様が白木の三方へ黄金の斧をのせてでてきて、これかと問う。お爺さんは、黄金の斧をみてびっくりし、これは自分の斧ではないとい…
・くそとみその話(山梨県/いまに語りつぐ日本民話集5/監修:野村純一・松谷みよ子/作品社/2002年) でかけたついでに味噌を買ってかえる途中、野糞をした市兵衛が、このままおいては惜しいと、蕗の葉っぱに包んで家に帰り、味噌で「ほうとう」でもつくるよ…
日本昔話記録4/新潟県南蒲原郡昔話集/柳田國男編 岩倉市郎採録/三省堂/2006年 大晦日にたずねてくるのは、借金取りばかりではありません。 1 大晦日に、貧乏な爺さと婆さのところへ、ひとりの汚げな座頭ん坊がやってきて、一夜の宿をたのみます。 爺さと婆さ…
いまに語りつぐ日本民話集11/笑い話・世間話/野村純一・松谷みよ子・監修/作品社/2002年 この民話集には語り手の方のお名前があります。 大変みじかい昔話ばかりで、たいてい二分ぐらいでおさまりそうなもの。 囲炉裏やこたつで話されたものの原点は、こうし…
じさばさとおっさま/今に語りつぐ日本民話集 笑い話・世間話➀ふしぎなめぐりあわせ/監修 野村純一・松谷みよ子/作品社/2002年 土地言葉がそのままなので、頭をひねるところが多い。「おっさま」というのは和尚さん。 芥川龍之介の「仙人」に似ています。 信…
日本の昔話/柳田国男/新潮文庫/1983年 信州の話。 矢村にすむ弥助という男が、ある年の暮に正月の買い物に行って、わなにかかった山鳥を逃がしてやります。 すると若い娘がたずねてきて、雪に降られて難儀をしているので春になるまでおいてくださいと弥助の…
子どもに贈る昔ばなし14/再話・昔ばなし大学再話研究会 小澤俊夫・編・監修/小澤昔ばなし研究所 副題に、幼い子のための昔ばなしとあります。 したがって、それほど長い話ではないのですが、最後のオチがきいています。 かえるとへびとむかでがお寺参りをし…
信州むかし語り6 食べものの話/しなのき書房/寺島俊治/2012年初版 巻末に参考文献がのせられています。再話でしょうか。 お千代とお花の姉妹。 お千代にとって、今の母は継母。 おっかさんは自分のうんだお花だけをかわいがり、お千代は働きずめで、食べるも…
信州むかし語り4 ゆかいな話/羽生田敏/しなのき書房/2011年初版 藤田浩子さんの「橋役人」と似ています。 橋役人というのはなじみがないのですが、長野版は関所がでてきます。 関所の役人のなかには、なんとかかんとかけちをつけては、物やお金をせしめる者…
信州むかし語り4 ゆかいな話/羽生田敏/しなのき書房/2011年初版 須坂の里のよめとばさま。 ご多分にもれず、なかが悪い。 正月のこと、よめさまの叫び声。新雪の上には、ほやほやのみごとなうんちが。 よめが縁起でもないというのに、ばあさまがいうことには…
信州むかし語り4 ゆかいな話/羽生田敏/しなのき書房/2011年初版 絵本にしても楽しそうな話。 ある山の東と西に小さな村があって、二つの村をむすぶ山道を作ろうという話がもちあがるが、うちの村でつくってもそんするばかりと、声が消えてしまいます。 東の…
日本の民話10 残酷の悲劇/瀬川拓男・松谷みよ子・編著/角川書店/1973年初版 ありそうで少ないのが悲劇の話。 子どもを対象とすると、すくいのない話はしにくいのかも。 しかし、さがせば悲劇的な話もあるようです。 「機の音」は、村一番の器量よしの”おのう…
節分の鬼/定本日本の民話11 越後の民話/未来社/1999年初版 地獄というと、鋭く尖った針の山、燃えさかる火、沸騰する湯など、恐ろしい光景が浮かびますが、昔話では閻魔さまがやってきた死者?に手こずり、やりこめられます。 恐ろしいところの象徴であるは…