どんぴんからりん

昔話、絵本、創作(短編)などを紹介しています。

ぬくぬく

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   ぬくぬく/天野祐吉・作 梶山俊夫・絵/福音館書店/2020年(初出1980年)
 
冬の寒い時期に”ぬくぬく”と聞くと、あったかいかんじ。”温かい”とはまたちがった響き。
 
 ”ぬくぬく”とすり寄られると、にげかえってもふるえはとまらず三日は寝込みむという妖怪ぬくぬく。さむがりで、からだに いっぱいまきつけているのは藁。
 
 ところがきょうは、いつもと違った。ぬくぬくとすり寄ったら、今日の相手はおどろくどころか からだをすりよせてきた。妖怪ぬくぬくが 走ると 走る。とまると とまる。
 おちつかず、やまいもを はんぶんさしだすと うれしそうにかじりつき、もっとくれ と手を出した。
 女の子が すやすやねむってしまうと、ぬくぬくは、女の子を背負って、里に向かった。そして、やねやのむすめが神隠しにあったという話をしていた家の戸口に女の子をおくと、ぬくぬくは丸太橋を わたった。
 
 次の日、あの子のことが気になってすわっていると、道の向こうから おおぜいの こどもたちが、からだに 藁をしばりつけ、「ぬくぬく」と、声をあげながらやってきた。先頭にはあの子。行列をみていたぬくぬくは、うきうきした気分になって、行列のうしろについて あるきだした。
 
 ぬくぬく かおだせしりだせ
 ぬくぬく あそぼやないか
 ぬくぬく やまいも くわそ
 どいつが ぬくぬく あいつが ぬくぬく。
 
(このあたりは、歌いたいところ)
 
 妖怪が人にすりよるのは、さびしかったのかしら。さびしい気分をかえてくれたのは 子どもたち。
 
 子どもには先入観がありませんから、妖怪=悪 にはなりません。こわいというのは 大人の偏見?
 
 ぬくぬくと、妖怪を探して歩く こどもたち。

 雪に覆われた山、道、こどもたちの いい味の顔。
 
 ちょっとわすれていたものを 思い出しました。