大草原に語りつがれるモンゴルのむかし話/Chチメグバータル・監修 籾山素子:訳・再話 藤原道子・絵/PHP研究所/2009年
他人のウリを盗んで暮らしていたみなし子が、子どものいないおじいさん、おばあさんに育てられることになり、牛の世話をするようになります。
男の子が、いつものように草原に牛をつれていくと、そこには白くて干からびた馬のなきがらが横たわっていました。
男の子はその骨と毛と皮で馬頭琴をつくります。
男の子が草原にでかけるたびに馬頭琴を引くと、連れていった牛は、美しい音色に、草を食べるのも忘れて聞きほれます。
すると牛は日に日にやせてきます。
不思議に思ったおじいさんが、男の後をついていくと、男の子のまわりで、牛が草を食べるのを忘れ、鳥たちまで羽をやすめていました。
おじいさんから注意されて、それからは牛がいっぱい草を食べてから、馬頭琴をひくと、牛たちは幸せそうに音色に聞きほれます。
ウリを盗んだ男の子に、おじいさんは「小さいときに針をぬすむと、おおきくなってラクダをぬすむようになる」と諭しますが、国が違えばでてくる例示も興味深い。
大草原にひびく馬頭琴の音色はどんなだったでしょう。
