百曲がりのカッパ/世界のむかし話⑫ 百曲がりのカッパ/松谷みよ子・作 梶山俊夫・画/学校図書/1984年初版
世代をこえて読まれている絵本の「おおきなかぶ」。
おおきなかぶをみんなで引っこ抜くというシンプルな話ですが、絵の魅力もあって楽しまれているようです。
「大根どのむかし」も大きな大きな大根の話。
村中の大根が雨が降らず、育たない中で一本だけ残った大助の大根。村中でこやしをかけて、みずやりしていると、千年杉ほどの大きさに。
村中で堀り上げ、そりにつけてひっぱりはじめると山かげでごろごろという雷が。
すると大根が「いまのは大根おろしだべ。おらおろされるのはやだやだ」と泣き始めます。
大根が口をきいたのにおどろいた村人が、大根を食べるのをやめて、村の入り口においておくと、その大根が雪を止め、夏には涼しいかげとなって、台風もこなくなります。
ところが大根がいつもいつも腹すいたというので、そのたんびにこやしをあげなくてはならないのに閉口した村人が、大根を追い出してしまいます。
大根が姿をけしたとたん、嵐はくる吹雪はくる日照りがくる夕涼みもできねえなんていやなことばかり続きます。
最後のオチも笑えます。もとは山形の昔話のようですが、方言の魅力もあるようです。
松谷さんの監修で、絵本にもなっていました。

だいこんどのむかし/渡辺節子・作 二俣英五郎・絵/ほるぷ出版/1992年
