どんぴんからりん

昔話、絵本、創作(短編)などを紹介しています。

三つの山・・新潟

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          新潟のむかし話/新潟県学校図書館協議会編/日本標準/1976年

 

 山を三つこえていったところに、たからの原っぱがあるというので、何人もその山をめざしていた。

 山の登り口にいる白いひげのおじいさんが、山への登り方を知っていて、山を越えるとき、後ろをふりむいてはいけないという。もし後ろをふりむくと、石ころになって谷底へおちてしまう。

 ひとりの若者が、一つ目の山の頂上近くまで来ると、すごい火がもえていて、「火事だ!」と叫んで、後ろを振り向くと、石ころになって谷底へ転げ落ちてしまいます。

 ほかの若者が、一つ目の山を越え、二つ目の山をのぼろうとすると、一面に針がうわむきしていて、歩こうにも歩けない。道を間違えたのかもしれないと、あともどりしようとしたら、石ころになって谷底へ。

 つぎの若者は、三つ目の山の頂上へ行くと、大きなトラがでてきて、この若者も石ころになって谷底へ。

 つぎの若者が、「トラに のみこまれてもええわ」と、前へ出ると、そのとたん、何もいなくなって、広い原らっぱつくと、そこには、たからものではなく、見たこともないきれいな花が咲いていました。

 若者は「ああ、これがたからの山なんだなあ」と、心から喜び、そこにすむことに。おじいさんにお礼をいおうと思ってかえると、あの白いひげのおじいさんは、どこをさがしてもいなかったと。

 

 繰り返しが三回というのが、昔話のパターンですが、ここでは四回です。