大分のむかし話/大分県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1975年)
力自慢が「ちからくらべ」にでかけ、ちからくらべを申し込まれた側が いかに 力が強いかが 現実離れをとおりこして あっけにとられるものが、ほとんど。
「ほらふき」というからには、おおきければおおきいほどいい。
話が旨いと自信満々の男が、話がうまい男がいるという村に出かける。
こんな話では、中国や天竺まで でかけるものもおおいが、村というのは、ちょっと物足りない。
その家の子がいうことには、「雨だれでできた水たまりに クジラがいるから すくう」という。
子どもに、お父はいるかときくと、「この大雨で、大船山がくずれると 困るから 線香をもって 大船山に つっぱりにいった」という。
おっかあは、なにしよるか聞くと、「カミナリさまの腹が破れると、雨がやまなくなって困るから、木綿針と木綿糸をもって、カミナリさまの腹を縫いに、天に登っちょる」という。
おそれいった男が、急に逃げ帰る。
もうすこす 米ん団子 はよう食わにゃ すえるで!
