
むしゃむしゃ かぞく/ラッセル・ホーバン・文 リリアン・ホーバン・絵 福本 由美子・訳/あすなろ書房/2003年
アメリカでの出版は1966年。原題は、「The Little Brute Family」。英語の意味では、とてもとても「むしゃくしゃかぞく」なんて訳は出てこない。まずは訳の妙に💮。
くらーい くらーい森の中にすんでいた家族。(猿のようにも見えますが、正体不明でーす。)
いつもむしゃくしゃ。
食事のときは、「いただきます」「ありがとう」「おいしいね」なんて言葉はでてきません。
五人の子どもたちは、足で蹴飛ばし、やりかえし。タコを作ってもちっともあがらず、池に入っても泳げません。
秋、落ち葉で、ふんだりけったり。冬、そりに乗れば、雪の中にあたまから ずぼっ。ひーひーわめくばかり。
ところが、むしゃくしゃぼうやが、ひなぎくの うえに ふわふわぼんとしたものを見つけ、ポケットに入れて 家に帰ると・・・。
なんかよくわからない”ふわふわぼん”が やってきてからは すべてが好転していきます。
「ありがとう」「おいしい」も言えるようになり、子どもたちも楽しいことだらけ。
秋には、木の実やどんぐりをあつめ、冬には 暖炉でこんがり焼いて食べ、夜はみんなで歌もうたいました。
”ふわふわぼん”は、おまじないかな。おまじないを信じたので、にこにこ家族になるきっかけをつくってくれたのかも。
何をやってもうまくいかないときもあれば、驚くほど うまくいくことが続くこともありますね。
むしゃくしゃママがつくったのは、砂と砂利のおかゆ。パパがあつめた小枝の小石でママが作ったのはシチュー。これはたしかにまずそうでした。
