
かーかん、はあい/子どもと本と私/俵万智/朝日新聞出版/2008年
ほかのかたがおすすめする絵本に、どんなものがあるかと思って探していたときに見つけた俵さんのエッセイ。
2歳から4歳までの息子さんの子育ての期間中に、一緒に読んだ絵本のことを朝日新聞の夕刊に連載したもの。イラストは、息子さんが、印象深い言葉は、すべて「ごみおじしゃん」がつくたものと思うようになったという五味太郎さん。もちろん短歌もところどころにあります。
絵本紹介というより子育て中の絵本とのかかわりが中心。見たことのない絵本が、七割以上あって、がっくり。
タイトルは、息子さんが、本をよんでほしくなると必ず言うという 「かーかん、つぎは、なに読もうか?」からきているようで、この一言から、親と子の関係がつたわってきました。。
「心にまかれた種」の項で、言葉の貯金があるか?と聞かれて、どきり。
毎日開店するという、自称「本屋のおじさん」の息子さん、「さんびきのナントカサン・・」を探してもらうと、三冊「さんびきのくま」「さんびきのこぶた」「三びきのやぎのがらがらどん」が、鬼をやっつける話を探していると水を向けると、「はいはい」と「ももたろう」「いっすんぼうし」を出してきたというから、そうとうの絵本に囲まれているのがわかりました。
「『花さき山』に花が咲くとき」の項。「絵本は、人生で三度読むものですよ。一度目は子ども時代、二度目は親になったとき、三度目は人生の後半に自分のために1・・・」。柳田邦男さんのことば。
たいていは二度目(かならずしも子どもがいるとはかぎらないのが、今のご時世)、三度目がないのはもったい。
(俵万智さん文の絵本もありました)
