どんぴんからりん

昔話、絵本、創作(短編)などを紹介しています。

お茶つぼ道中・・京都

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         京都のむかし話/京都のむかし話研究会編/日本標準/1975年

 

 昔といっても江戸時代。大名行列がくると、道を歩いているものはもちろん、そばで農作業しているものも土下座して見送らなければならなかった時代。とちゅう、頭を上げたり、その行列を横切ったりしたら打ち首にされることも。

 宇治川にかかっている赤い宇治橋を物々しい行列がやってきた。みんな土下座をしていると、かごの中からいいにおい。うっすら目をあけてそっと見ていると、かごが揺れた瞬間に、みえたのが絹に包まれた茶つぼ。なんとお茶つぼ道中だったという話。

 宇治の茶は、全国一ええお茶というので、毎年新茶を江戸の将軍にとどけたという。このお茶つぼ道中には、大名行列も道を譲らなければならなかったという。

 

 京都らしいお話。