どんぴんからりん

昔話、絵本、創作(短編)などを紹介しています。

さんぞうほうしの かえりみち

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    さんぞうほうしの かえりみち/せな けいこ/金の星社/2024年

 

 三蔵法師の一行が、艱難辛苦の末、お釈迦様からたくさんのお経をいただいて、大きな川まできたとき、かめが でむかえてくれました。一行が、かめのせなかにのってもうすこしで、岸につくというとき、かめが、三蔵法師におねがいしたことをききました。「極楽にい行けるかお釈迦様に聞いてほしい」と、おねがいしていたのですが、三蔵法師は うっかりわすれていました。がっかりしたかめはみんなを放り出し、川のなかへもぐってしまいました。

 せっかくのお経も ちらばってしまい、拾い集めましたが、どうしてもたりません。川の中にいたおおきな なまずが ぱっくり お経をのみこんでしまったのです。おこった孫悟空が なまずのあたまをたたくと、なまずは ちぎれた お経をはきだしますが、まだたりません。
 孫悟空は、三蔵法師からいわれて、なまずのあたまをたたくことをやめました。

 のこりのお経を なまずが はきだすように あたまを ぽくぽく たたいている かたちが あの 木魚になったそうです。

 

 かめのお願いは、天竺へ行く途中のことで、えらいお坊さんでも、失念しまったのでしょう。

 せなさんが、中国旅行のとき、きいたお話がもとになっています。今年(2024年)金の星社から出版されていますが、1998年初版です。

 ただ、木魚の由来はいろいろありそうです。