
絵の中のどろぼう/文・友部 正人 絵・スズキ コージ/架空社/2025年
初版は1983年ばるん舎の発行。再版がまたれていた絵本。
スズキコージさんの絵を見慣れていると、これはこれはびっくり。モノクロ、黒の濃淡だけです。
友部さんの着想もびっくりで、どろぼうが絵の中に逃げ込み、その絵が、人から人へとわたり、最後のオチも秀逸。
絵描きは、ピアノをかいたはずなのに、人がよこたわっているのをみて 気味が悪くなってお医者さんへ あげました。
お医者は、絵の中の男の口にドーナツの砂糖がくっついていて、ポケットに色鉛筆がのぞいているのをみて気味が悪くなり、ともだちの船乗りにあげました。
絵の中の泥棒は、船乗りがフィアンセにかいた手紙をかきかえたので、フィアンセから絶交の手紙がきて、船乗りは、悲しみのあまり死んでしまいました。
競売にかけられた絵は、花屋のお店に飾られました。
どろぼうは、花屋の娘が好きになり、毎日、絵から抜け出して求愛の手紙をかきました。
花屋の娘は、手紙は、毎日花を買いに来るおまわりさんだと かんちがいして すぐに結婚してしまいました。
絵は、結婚式のおせわをしてくれた署長さんのところへ。
一年前にどろぼうを取り逃がした署長さん、もらった絵をながめていて・・・。
